夕方の雲。2
「???!?」
零亜は大体、何事にも動じないタイプだった。
だが、このときは流石の零亜でも困惑していた。
白い光の中を落下して行き、不意に、明るいところに出た。
タンッ!
零亜が持ち前の運動神経で、肩膝をついて綺麗に着地した。
だが、そこは見たこともない場所だった。
零亜は読書家だ。
頭の中で、本の中で、こういうのが出てきたことならいくらでもある。
…そこは零亜が知っている言葉なら、"王宮"だった。
天井は一般の二〜三倍ほど高く、壁や何やらにも彫刻が施されている。
天井には輝くシャンデリアがいくつも下がっていた。
床は大理石が敷き詰められ、零亜が着地したところには赤い絨毯が前に延びていた。
その先には二段高くなった台があり、椅子が1つ置かれている。
その椅子は金や赤であり、一際目立つ。
また、背もたれが長い。
"王宮"…であった。
そして…その椅子に、座る者がいた。
見た目は一個上の15歳くらいの男子、白っぽい金髪で、ニッと笑っている。
服はいかにも"王子様"だった。
白と赤のマントや服がまぶしい。
「待っていたぞ。」
その男子が言った。
「我名は"クロム・L・ヴァルディ"。ここ、ロックスフォード王国の王子さ。」
(やっぱり王子サマか…)
零亜はこんな状況に置かれてもこんなことを考えていられる自分に驚いた。
「お前は?」
(初対面に"お前"ねぇ…流石王子サマ。)
零亜はスクッと立ち上がると、ステッキをタンッと突いて答えた。
「"遊馬 零亜"。」
零亜は大体、何事にも動じないタイプだった。
だが、このときは流石の零亜でも困惑していた。
白い光の中を落下して行き、不意に、明るいところに出た。
タンッ!
零亜が持ち前の運動神経で、肩膝をついて綺麗に着地した。
だが、そこは見たこともない場所だった。
零亜は読書家だ。
頭の中で、本の中で、こういうのが出てきたことならいくらでもある。
…そこは零亜が知っている言葉なら、"王宮"だった。
天井は一般の二〜三倍ほど高く、壁や何やらにも彫刻が施されている。
天井には輝くシャンデリアがいくつも下がっていた。
床は大理石が敷き詰められ、零亜が着地したところには赤い絨毯が前に延びていた。
その先には二段高くなった台があり、椅子が1つ置かれている。
その椅子は金や赤であり、一際目立つ。
また、背もたれが長い。
"王宮"…であった。
そして…その椅子に、座る者がいた。
見た目は一個上の15歳くらいの男子、白っぽい金髪で、ニッと笑っている。
服はいかにも"王子様"だった。
白と赤のマントや服がまぶしい。
「待っていたぞ。」
その男子が言った。
「我名は"クロム・L・ヴァルディ"。ここ、ロックスフォード王国の王子さ。」
(やっぱり王子サマか…)
零亜はこんな状況に置かれてもこんなことを考えていられる自分に驚いた。
「お前は?」
(初対面に"お前"ねぇ…流石王子サマ。)
零亜はスクッと立ち上がると、ステッキをタンッと突いて答えた。
「"遊馬 零亜"。」
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