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君がいたから?

[324]  MINK  2006-09-18投稿
私は一つため息を付いて、彼に言った。
「こんなところで泣くって言うのもどうかなぁ。話なら聞くけど」
そう言って、私は自分の部屋に入って行った。
それから五分位しても男は入ってこなかったので、帰ったのだなと思い、私はもう一度コーヒーカップにコーヒーを淹れた。
それと同時にもう一度、チャイムが鳴った。
ジリリリ…
「はい」
少しだけ、ドアを開くとそこにはさっきの男が立っていた。
「すみません…少しだけよろしいですか」
男は申し訳なさそうに言った。
「どうぞ」
私はそれだけ言って、扉を押した。
彼はやっぱり静かに入ってきた。ただ、頭の先からつま先まで雨で濡れていたので、入ることに躊躇していた。
私は取り敢えずバスタオルを渡して、靴下を脱ぐことを進めた。
元彼のジャージがあった事を思い出して、それに着替えることを勧めた。その間に服と帽子を乾かすからと言って、乾燥機へ放り込んだ。
ひと段落してからコーヒーを淹れて、薦めた。
「どうぞ」
「すみません」
帽子を取った、彼は以外にもかっこよかった。
こんなかっこいい人でも振られるんだなぁと感心してしまった。
「彼氏いるのにいいんですか?僕なんか上げて」
少し申し訳なさそうに、冷めたように男は言った。
「なんでいると思う?」
と聞いた。
男はジャージを指差した。
「男物だから」
「昨日、別れたから平気」
私は、そう言ってコーヒーを口に運んだ。
「で、どうしたのよ?」
私は本題に取り掛かった。

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