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SUBURB?〜収容所〜

[244]  尊吾  2006-09-18投稿
水原が連れてこられたのは、所長室とは別棟の拘置所だった。
ガタン!!と扉を閉められると外から施錠する音が聞こえた。

「水原軍曹に敬礼!!」
部屋で一列に待機していた中の奥田が真っ先に声をあげた。どうやら先に聴取を受けていた15人もこの部屋にいるらしい。
「軍曹!!お怪我は??」
「あぁ、大丈夫だ。心配いらん。」
水原は腹部を押さえながら横になった。

「軍曹!!お話があります!!」
この中で最も若い武藤の言葉だった。
「この島では、過酷な強制労働を強いられ、最後には銃殺されると聞いております。我が日本兵は、この島に連れてこられる事を最大の恥とし、戦ってきました。しかし捕虜となった今、ミゥエル人に殺されたくはありません。私は、今ここで自害したいと思います。どうか水原軍曹!!介錯をお願いできないでしょうか!!」
武藤は泣きながら水原の前に跪き、土下座をして叫んだ。
水原は武藤の心境が痛い程分かった。武藤の父は陸軍の中将であり、自分が捕虜になった事で家の名が汚されるのをとても恐れているのだ…水原は言った。
「死ぬ必要などない。我々がこの島に来たのは任務を遂行するため。情報を本土へ持ち帰るためだ。」
水原の言葉は密かに「脱獄」を暗示していた。

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