梅林賀琉2〜二人の世界〜
あれは気を失っているのではないかと問おうとしたその時である
カーペットに横になっている織姫が寝言を言い始めたのである
「あたしを竜宮城の乙姫ネーさんのところへ連れて行って
ダーリンお願い
お願いダーリン」
最後のほうは何やら鼻歌のように聞こえた
「織姫よ、起きるんだ
さぁ、目を開けて
私が見ゆるで御座ろう
今宵は年に一度、そなたに会える日ではないか」
織姫は彦星の声で目覚めて、オーマイダーリンと言った
僕は何だか欧米人のようだなと思っていた
そして、これまた欧米風に織姫と彦星は抱き合っていいムードになってしまった
何やら愛の言葉でも交わしているのだろうか
しかし、よく聞いていると何だか織姫が愚痴をこぼしているように聞こえた
特に織姫は最近機織りが上手くいかなくて捗らない
毎日、残業ばかりだ
しかも、この間は最近縫製が酷いといってお得意様にしかられた
このままだと解雇される
でも、それもこれも隣の機織り小娘がいつも作業中に屁をこきまくっているせいだとか
工場長の口が臭いからだとか
僕にとってはどうでもいいことだった
しかし、そんな織姫の愚痴を彦星は真摯に受けとめた
「そうか、それは辛かったであろう
しかし、私の飼っている牛の臭さには敵いますまい」
今度は彦星の愚痴かと思った
彦星は彦星で牛飼いの役割を果たすために腐心しているようであった
最近、どうも自分の飼っている牛は乳牛、肉牛にかかわらず、尋常な臭さじゃない
君のジャスミンのような香りとは正反対だよ
オーベイビー
それもこれも魔王の仕業だ
それ以外にあり得ない
僕らが苦しむのを楽しんいるんだ
「じゃあ、ここは竜宮城の乙姫様のところに行くしかないわ」
何で今までの話が乙姫様のところに行くことによって解決するのかよくわからなかったが、その後は再び欧米人のように抱き合って何もかも忘れようとしているかのようにみえたので、僕はさっきまで背を向けていた窓際に再び向き直って星空を見ようと思った
しかし、その直後上半身裸の亀吉がヤモリのように窓に這いつくばって僕の視界を遮った
もともと海亀なので裸なのは当たり前だが、前とは違い竜宮城圏外で人間の姿をした亀吉を見たのは初めてだったので少なからずも驚きを覚えたのである
カーペットに横になっている織姫が寝言を言い始めたのである
「あたしを竜宮城の乙姫ネーさんのところへ連れて行って
ダーリンお願い
お願いダーリン」
最後のほうは何やら鼻歌のように聞こえた
「織姫よ、起きるんだ
さぁ、目を開けて
私が見ゆるで御座ろう
今宵は年に一度、そなたに会える日ではないか」
織姫は彦星の声で目覚めて、オーマイダーリンと言った
僕は何だか欧米人のようだなと思っていた
そして、これまた欧米風に織姫と彦星は抱き合っていいムードになってしまった
何やら愛の言葉でも交わしているのだろうか
しかし、よく聞いていると何だか織姫が愚痴をこぼしているように聞こえた
特に織姫は最近機織りが上手くいかなくて捗らない
毎日、残業ばかりだ
しかも、この間は最近縫製が酷いといってお得意様にしかられた
このままだと解雇される
でも、それもこれも隣の機織り小娘がいつも作業中に屁をこきまくっているせいだとか
工場長の口が臭いからだとか
僕にとってはどうでもいいことだった
しかし、そんな織姫の愚痴を彦星は真摯に受けとめた
「そうか、それは辛かったであろう
しかし、私の飼っている牛の臭さには敵いますまい」
今度は彦星の愚痴かと思った
彦星は彦星で牛飼いの役割を果たすために腐心しているようであった
最近、どうも自分の飼っている牛は乳牛、肉牛にかかわらず、尋常な臭さじゃない
君のジャスミンのような香りとは正反対だよ
オーベイビー
それもこれも魔王の仕業だ
それ以外にあり得ない
僕らが苦しむのを楽しんいるんだ
「じゃあ、ここは竜宮城の乙姫様のところに行くしかないわ」
何で今までの話が乙姫様のところに行くことによって解決するのかよくわからなかったが、その後は再び欧米人のように抱き合って何もかも忘れようとしているかのようにみえたので、僕はさっきまで背を向けていた窓際に再び向き直って星空を見ようと思った
しかし、その直後上半身裸の亀吉がヤモリのように窓に這いつくばって僕の視界を遮った
もともと海亀なので裸なのは当たり前だが、前とは違い竜宮城圏外で人間の姿をした亀吉を見たのは初めてだったので少なからずも驚きを覚えたのである
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