梅林賀琉2〜彦星変幻〜
「今、亀吉殿は神経衰ジャックになって、オランダに行ってしまいそうです
すぐにでも地核の病院に連れて行きましょう」
彦星の言っていることはよくわからなかったが、とりあえず近くの病院に連れて行くべきであることはだけわかった
しかし、「近く」ではなく「地核」と発音した彦星の真意は訊いておかなければ、またこの先厄介なことになる気がした
「僕は今、彦星の言った地核の病院とはどんなものなのか知りたいが、教えてはくれまいか」
「近く?」
「あぁ」
「何かの間違いでしょう」
この言い方に少々イラッとした
まるで、僕に非があるかのごとき言い方に感じられた
「だって、彦星がそう言ったんじゃないか
地核と近くではまるで意味が違う
そこのところどうなんだ」
すると、さっきまでの横柄な態度とは打って変わって
まるで、主人に仕える小間使いのようになったのである
「いやぁ、それはそれは浦島様、私の間違いでありました
実は私、たまにイントネーションがおかしくなるんです
雲が蜘蛛になったり、虹が二時になったり…
ですので、先ほどの近くと地核も二つを混同しておりまして、正しくは近くで御座います
お加減を悪くなされましたら、どうぞ匙でもスプーンでもお曲げになって下さい」
まったく、謝っておきながら最後は冗談で通すのが何だか亀吉よりも分が悪い気がした
しかし、心の広い僕はそんなわけのわからん彦星を許した
そればかりか、彦星と織姫は今日が二人にとって年に一度の大事な日だということに気を遣い、こんなことに二人を付き合わせてはいけないと慮った
「今日は彦星と織姫が年に一回会える大事な日だろ」
「からのぉ」
「二人でもいいからパーティーに行ってきなよ」
途中で彦星をぶん殴ろうと思ったが、天人を殴ったら自分ばかりか国土に災難が襲いかかる気がして思い止まった
すると、いい気になったのか今度は真面目な王子モードに成りかわって僕に返事をした
「勿体なき御言葉に御座います
しかし、こんな時にパーティーとはちと不謹慎ではありますまいか
それに、亀吉殿がいないといずれにしても会場には入れませんし、私どもが居りませんと浦島様には病院の場所がわからないでしょう
病院がここから近くであることには間違いありません
間違えて、ウラジオストクにでも行っては大変でしょう
すぐにでも地核の病院に連れて行きましょう」
彦星の言っていることはよくわからなかったが、とりあえず近くの病院に連れて行くべきであることはだけわかった
しかし、「近く」ではなく「地核」と発音した彦星の真意は訊いておかなければ、またこの先厄介なことになる気がした
「僕は今、彦星の言った地核の病院とはどんなものなのか知りたいが、教えてはくれまいか」
「近く?」
「あぁ」
「何かの間違いでしょう」
この言い方に少々イラッとした
まるで、僕に非があるかのごとき言い方に感じられた
「だって、彦星がそう言ったんじゃないか
地核と近くではまるで意味が違う
そこのところどうなんだ」
すると、さっきまでの横柄な態度とは打って変わって
まるで、主人に仕える小間使いのようになったのである
「いやぁ、それはそれは浦島様、私の間違いでありました
実は私、たまにイントネーションがおかしくなるんです
雲が蜘蛛になったり、虹が二時になったり…
ですので、先ほどの近くと地核も二つを混同しておりまして、正しくは近くで御座います
お加減を悪くなされましたら、どうぞ匙でもスプーンでもお曲げになって下さい」
まったく、謝っておきながら最後は冗談で通すのが何だか亀吉よりも分が悪い気がした
しかし、心の広い僕はそんなわけのわからん彦星を許した
そればかりか、彦星と織姫は今日が二人にとって年に一度の大事な日だということに気を遣い、こんなことに二人を付き合わせてはいけないと慮った
「今日は彦星と織姫が年に一回会える大事な日だろ」
「からのぉ」
「二人でもいいからパーティーに行ってきなよ」
途中で彦星をぶん殴ろうと思ったが、天人を殴ったら自分ばかりか国土に災難が襲いかかる気がして思い止まった
すると、いい気になったのか今度は真面目な王子モードに成りかわって僕に返事をした
「勿体なき御言葉に御座います
しかし、こんな時にパーティーとはちと不謹慎ではありますまいか
それに、亀吉殿がいないといずれにしても会場には入れませんし、私どもが居りませんと浦島様には病院の場所がわからないでしょう
病院がここから近くであることには間違いありません
間違えて、ウラジオストクにでも行っては大変でしょう
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