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QUEEN of QUEEN〜灰色の雪?〜

[312]  かなで  2006-09-18投稿
王は少し考え二人に許可を出した。
「では、今から出立いたします。そうすれば朝にはエイファ領内に入れますから。行こうアーチェス」
「父上、留守中油断なさらぬように…お気を付けて」
アーチェスは父王を軽く抱きしめ兄に続いて退席した。
広い廊下に出ると冷たい空気が体を包み冬の訪れを嫌でも痛感させられる。この地は毎年冬がくると降り出した雪が春までやむことがなく、辺りは一面豪雪に覆われる。
「兄貴、雪が降り出したら動けなくなるかもしれない。急いだ方が良さそうだ」
カイルは頷き支度をするため自室に戻ろうと歩き出したその時、伝令の兵が慌てて廊下を駆けてきた。
「王に、王にお目通りを!」
カイル達を見つけて兵は青い顔で叫び、その様子は嫌でも胸騒ぎを起こさせた。

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