因果…らりるれろ
【ライン】
目を開けると、暗闇の中をラインだけが見えた。
そのラインに沿って歩いた。
私は生きているのだろうか?
それとも、死んだのだろうか?
最後の記憶が定かではない。
只、背中を押された気がする。
押したのは、男なのか女なのか、それともそんな気がするだけなのか…。
思い出そうとしているのに、足は立ち止まる事なくラインに沿って歩いている。
このラインは一体、何処まで続いているんだろう?
明かりも音も無く、記憶はどんどん、薄れて行く。
【リセット】
私は誰だ?
名前は…確か…山…?
解らない。
私は男なのか女なのか?
最後の点の様な記憶さえ、消えようとしている…。
………パチン!
何かが頭の中で鳴った様な。
その時全てが消えた。
【ルテン】流転
目を開けると暗闇では無いが、全てがボンヤリしている。
耳元で懐かしい優しい声がした。
咄嗟に「姉さん!」と叫んだが、口から発した言葉は「オギャア!」 「…?!」
私は赤ん坊になっていた!
嬉しそうに私を抱く姉の顔が見えた。
その背中から私を覗く、幸せそうな顔…
「この男、何か嫌な感じがする」
姉が、その男に言った。
「貴方も抱っこしてあげて」
私は男の手に渡された。
「やめて!!」
叫ぶ声は、激しく泣く赤ん坊の声になった。
「抱き方が下手なのかな?嫌がってるみたいだ。」
そう言って私を姉に渡した。
「その内、慣れるわよ。ね、栞ちゃん。」
私の名前は「栞」らしい。
姉が私の顔を見ながら言った。
「亜紀ちゃんが生きてたら、きっと凄く喜んでくれたわね…。」
そうだ!
私は「亜紀」だ!
そして…姉の傍らにいる男は…
あぁ!…私を殺した男じゃないか!!
「どうして、姉さんはこの男と一緒に居るの?
私を殺した男なのよ!」
必死に訴える言葉は、赤ん坊の鳴き声になって虚しく響いた…。
目を開けると、暗闇の中をラインだけが見えた。
そのラインに沿って歩いた。
私は生きているのだろうか?
それとも、死んだのだろうか?
最後の記憶が定かではない。
只、背中を押された気がする。
押したのは、男なのか女なのか、それともそんな気がするだけなのか…。
思い出そうとしているのに、足は立ち止まる事なくラインに沿って歩いている。
このラインは一体、何処まで続いているんだろう?
明かりも音も無く、記憶はどんどん、薄れて行く。
【リセット】
私は誰だ?
名前は…確か…山…?
解らない。
私は男なのか女なのか?
最後の点の様な記憶さえ、消えようとしている…。
………パチン!
何かが頭の中で鳴った様な。
その時全てが消えた。
【ルテン】流転
目を開けると暗闇では無いが、全てがボンヤリしている。
耳元で懐かしい優しい声がした。
咄嗟に「姉さん!」と叫んだが、口から発した言葉は「オギャア!」 「…?!」
私は赤ん坊になっていた!
嬉しそうに私を抱く姉の顔が見えた。
その背中から私を覗く、幸せそうな顔…
「この男、何か嫌な感じがする」
姉が、その男に言った。
「貴方も抱っこしてあげて」
私は男の手に渡された。
「やめて!!」
叫ぶ声は、激しく泣く赤ん坊の声になった。
「抱き方が下手なのかな?嫌がってるみたいだ。」
そう言って私を姉に渡した。
「その内、慣れるわよ。ね、栞ちゃん。」
私の名前は「栞」らしい。
姉が私の顔を見ながら言った。
「亜紀ちゃんが生きてたら、きっと凄く喜んでくれたわね…。」
そうだ!
私は「亜紀」だ!
そして…姉の傍らにいる男は…
あぁ!…私を殺した男じゃないか!!
「どうして、姉さんはこの男と一緒に居るの?
私を殺した男なのよ!」
必死に訴える言葉は、赤ん坊の鳴き声になって虚しく響いた…。
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