廊下からの君3
―文化祭2日目
本当は仕事は無かったが昨日さぼったせいで受付をやらされた
しかもメンバーが俺、中島、金井、野田
野田については嫌っているわけではないが
"夏希先輩の好きな人"って思うと嫌だ
夏希先輩には会いたいが、今は会いたくない。
「雪びびんないでよ~」
「真紀子こそっ夏希は…余裕そう」
「まあイケメンなんで?」
「なにそれ~」
「怖かったらいつでもおいで」
「イケメンってよりチャラ男だよ」
(夏希先輩だ…)
「あ、先輩来てくれたんですか~」
金井の声
「来ましたよ~怖い?」
「怖いですよ~」
「え~期待しとこ~」
「先輩は期待通りの噛みっぷりでしたね」
「勇くん見てましたか~って噛んでないしっ」
(表情がコロコロ変わってかわいいな)
「じゃあ名演技の先輩、順番なんで入ってください」
「…中島」
「ん?」
「俺がんばるよ」
「おう」
「も~雪びびりすぎ~」
「だってえ」
「いやあれびびらない夏希にびっくりだよ」
「だってえ」
「かわいこぶったって無駄だからっ」
「夏希先輩!!!」
「はい?」
(やっやべえ。呼んだはいいけど何も考えてなかった)
「あ、あ、あの…」
「?」
「あ…ア…握手してください」
「芸能人かっ」
「じゃなくて、アドレス教えてくださいっ」
「あはは。いいよっじゃあ教えるからまた送って」
その日の夜―中島家
「ファインプレーだったな」
「ああ」
「もう送った?」
「何打ったらいいかわからん」
「普通でいいだろ普通で」
「ああ」
『2の2の佐藤旬です。登録おねがいします(^O^)』
(やべえ心臓ばくばく)
すぐに返信が来た
『今日の握手の子?(^_^)』
「握手の子って…」
「うるせいなっ」
「あれは笑った。先輩の返しも笑った」
「先輩のツッコミはすごかった」
「見かけによらずって感じだな」
「おとなしそうなのにな。あ~心臓やべえ」
『そうです(-.-;)けどあれは忘れてください(-.-;)』
『なかなかおもしろかったよ(^.^)』
「ちょっと携帯貸してみろ」
「は?何すんだよ」
「『明日一緒に回りませんか?』っと」
「おい!何してんだよ」
「わっちょっやめろっ」
その瞬間
画面に送信完了の文字
「何してんだよ!」
「お前が無理矢理奪おうとするから!」
♪~
ブーブーブーブー
「最悪!絶対断られるじゃないかっ」
『いいよ~(^.^)でも友達とも回りたいから何人かで回ろ(^O^)』
「!!」
「おっしゃ~!!」
「俺ファインプレーだから俺も行く!」
『今日受付やってたメンバーで行きます!』
『金井くんと勇くんと隣に居た子?(^^)大人数になるね(笑)』
……"勇くん"
(やっぱり仲良いのか…)
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