携帯小説!(PC版)

オバケ9

[278]  はこもの  2006-09-19投稿
オバケのアパートには、10畳の部屋と、キッチンの付いた6畳の部屋があった。

広い方の部屋は、きちんと片されていて、ギターが数本、壁際に並べられていた。

狭い方の部屋は、大量のアルコールと、よくわからない調味料で埋め尽くされていた。

「何を飲む?」オバケが聞いた。

「お勧めは何?」

オバケはボトルを1つ取った。

「これだ」オバケは、ジンと氷の入ったグラスを僕に渡した。「そいつのロック。オレのお勧めだ」

「有り難く頂こう」

その冷たい液体は、僕の喉を熱くし、部屋と僕を馴染ませた。

オバケはウイスキーを飲んでいた。

「日本酒は飲まないのかい」僕は聞いてみた。

「いいや」オバケはグラスを眺めてた。「俺が日本酒を飲むのは、あの店で焼き魚をたのんだ時だけだ」

僕はキッチンの無数のアルコールに目をやった。確かに日本酒は1本もないようだ。

「知らなかったな」

「他人の事を知るっていうのは」オバケはまだグラスを眺めていた。「世界一難しい事の1つだ。皆わかったような気になってるだけさ」


グラスの中の氷が溶けた。

感想

感想はありません。

「 はこもの 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス