Near by you / Epi.8
Episode.8
僕はいつものソファーに
座り込んでいた
壁掛け時計を見ると
時刻は深夜2時を回っていた
僕の涙もようやくおさまり
千奈も眠りについたのか
泣き声は聞こえなくなった
僕はどうにかして
千奈に僕の存在を
知ってほしかった
僕がここにいると
何とかして気づいてほしい
辺りを見回す
何か方法があるはずだ
千奈を怖がらせずに
確実に、僕がこの家にいると
知らせる方法が…
僕は、ふと自分が
この家で生活していた日の事を
思い出した
(…そうだ)
僕は1週間前まで
ここで生活をしていたのだ
当たり前のように
普通に、いつも通りに
ここが
僕の居場所だったから
僕は立ち上がって
自分の部屋に向かった
千奈なら
絶対に気づいてくれるはずだ
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