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髄まで愛した一生#4

[484] しんとも 2014-02-08投稿
あなたは今まで人を愛した事がありますか?




あなたの好きな異性のタイプはなんですか?




あなたは見た目で人を判断しますか?





渡されたものは簡単なアンケートだった。


やはり人生そうだんの類いなのか、これから受けようとする人の傾向をアンケートで確かめる内容だ。



そんな深く考えて書くほどの物じゃない。




あなたが恋人に求めるものはなんですか?




もしも恋人が明日死ぬとしたら、何をしますか?




あなたは神を信じますか?



『はぁ!?』



最後のアンケートに記入しようとした所で、受付の女が声を掛けてきた。



『お待たせしました。お部屋で先生がお待ちです。』



『あ、いや。すいませんまだアンケートが』



『もう大丈夫です』



というと女が手を差し出してきた。

なんだよ。先生はアンケートを見ないのかよ。何が大丈夫なんだよ。

多少納得いかなかったが、アンケートを女に渡した。


ソファから立ち上がり、店の奥へ案内された。先生の所へ行く間も靄が掛かっていて、匂いもする。



甘い香りだ

アーモンド?



『俺。こんな所で何をしてるんだろう』




『こちらです』



女が扉の前に立ち一礼すると、歩いた道へ去っていった。



女の後ろ姿を一目し、ドアノブに手を掛けた。


『俺はいったい』




僅かに芽生えた好奇心は、ドアを開けたと同時に消えていた。






『こんばんわ』




先生は、大柄な男だった。そして、やたら目力の強い人だった。

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