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髄まで愛した一生#7

[579] しんとも 2014-03-22投稿

人が本当に驚いた時は声も出ないらしい。



俺は今、それをまさに身をもって証明している。



本当に声も出ない。

ただ見ている事しか出来ない。



俺はおそらく、この日を死ぬまで忘れることはないだろう。バスを降りて、俺の目の前に起こった出来事を。



『が、が・・・』



『骸骨?』




俺の目の前に、骸骨が歩いていた。


平然と普通に。しかも服を着ながら。



夢を見ているのか?あたまが可笑しくなったのか?

目の前に起こっている出来事が理解できない。



だがゆっくりと、この足を前に出した。一歩二歩、 いつもの道を歩き出した。



階段を登り、改札でSuicaを当て、駅のホームへ。



気付いた事がある。



全員が骸骨なわけじゃない。普通に人間に見える人もいる。いつも同じ電車に乗る見慣れた人もいる。



あのオジサンも、ちょっとオシャレで勘違い入った男も、ヨレヨレのシャツきたサラリーマンも、いつも通りだ。



でも見渡すと、約半分の人間が、骸骨だ。

そして、そのほとんどが女性物の服を着ていた。



いや、違う。



違うぞ?




女がいないんだ。





女が全員、骸骨に見えるんだ・・・

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