KNGDOMHEARTS ★刻時雨8
時雨は路地裏を歩きながら考えていた。あの赤いマントの男の目的は?何故トワイライトタウンに?ロクサスが関係するのだろうか?わからない事が多過ぎる。調べる必要があるらしい。その時、後ろから誰かが走って来る音が聞こえた。後ろを振り返ると、そこにはロクサスがいる。その手にはトロフィーが握られていた。「時雨!何してるんだ?行こうぜ!」後からハイネとピンツとオレットが走って来る。「時雨!コイツ優勝したんだぜ!」ハイネがロクサスの肩を叩く。オレットがクスクスと笑いながら言った。「すごいでしょ?今から時計台に行くんだ。」オレットの横からピンツが時雨を見て言う。「時雨も行こうよ!」時雨は一瞬下を向き、明るい笑顔を四人に向けた。「そうね、行きましょう。」時雨は歩き出した。…少し、わがままかもしれない。けどあと、あとほんの少しだけ、一緒に―… 時計台に来ると、ロクサスは嬉しそうにトロフィーを見た後付いていたクリスタルを外し、ハイネ、ピンツ、オレットの順に投げて渡した。そして最後に青いクリスタルを外して夕陽に透かす。「…約束だろ?」ピンツがクリスタルを夕陽にかざしながら言った。「ありがとう、ロクサス。」ハイネも夕陽にかざされてキラキラ光るクリスタルを見て笑う。「また俺達の宝物が増えたな。」時雨がクスリと笑う。「仲良しだね。」オレットもクスクスと笑い、どこからかシーソルトアイスを取り出した。「私からもプレゼント!」ちゃんと5本ある事が嬉しくなった。シーソルトアイスを見てロクサスが立ち上がる。「おお!」だがロクサスは突然足を外し、バランスを崩した。「ぅわ…?」時雨がハッとする。「ロクサス!」瞬間、ロクサスが時計台から足を滑らせた。「うわぁ───!!」時雨がギリギリロクサスの腕を掴む。だが時雨もそのまま落ちてしまった。ロクサスの意識が闇に吸い込まれて行く。時雨はしっかりとロクサスを抱き締めた。守らなきゃ、ロクサスだけはー!「お願い、消えないで!!」 『時雨!何処!?』懐かしい、“声”がした。
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