携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> あるもの

あるもの

[314]  mikko  2006-09-21投稿

オレンジから紫へ、空の色が変わるとき。



ちょっと汗臭い下駄箱と

はやる気持ちが重なって、



いつも少し気分が悪くなる。




君は、私を見ない。


私も、君を見ない。



目を合わせることは、きっともうない。




君の両手の中には、沢山の幸せと


沢山の笑顔が詰まっているだろう



私の両手の中には、沢山の疲労と、


沢山の涙が詰まっているのだ。





比べてほしくなかった。




光に導かれるように進む君に、

私を見てほしくなかったんだ。



汚れて、疲れきった私を。






校舎が、ひと時の休憩をする。


何も言わない。



下駄箱にいるのは、私だけ。






そろそろ、友達が、来る頃かな。




手を振る彼女が見えたとき、



後ろから来るのは、



友達に囲まれた



君だった。






私はいつものように、



何も居ないかのように



通り過ぎていく。





見てほしくない。

こんなにも汚れた私を。





視界の片隅に、君が入る。



君のズボンの裾が。


そしてそれが、私に少しずつ近づく。




視線を上げると…


何かを言いたそうに私を見下ろす、



あの頃と変わらぬ、






君がいた。







              








               
                ツヅク









感想

感想はありません。

「 mikko 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス