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きみがいなくなる日。

[683] グルルル 2014-10-07投稿
 かつてその痛みは、理解してはいても、共感には程遠かった。

 いくど経験しても、堪え難く慣れることのない痛み、癒えることない傷、一生埋まることのない空白。

 それは、とても辛くて、しょうがないのに、どうしようもなく、逃れられない
 その日を、どんな覚悟を持って迎えたところで、揺らぐ気持ちを抑えるのは、到底不可能だ。

 何が揺らいでいるのか? それは今までいた自分の世界。
 永遠に揺らぐはずのないと信じた、でもそんなことはなかった世界。

 病床に横たわる君の足に触れる。とても白い。

 君は走ることが大好きだった。誰よりも早い自分を君は誇っていた。その姿が、僕は…。

 …もういっそのこと、全部投げ出せてしまったら良いのに。
 感情のままに、錯乱している心に任せて、この胸に迫る嘆きを叫び散らせたら良いのに。

 深い眠りにいる君には一切届かないのだろうけれど。
 こんな時でも世間体を気にしてしまう自分が、たまらなく情けない。

 でも、どうあっても、その時は絶対にくる。きてしまう。

 君の身体から何かが抜けていくのが、見えた。

 ねぇ。ポチ…。
 君は僕といて幸せだったかい?

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