携帯小説!(PC版)

DARK-NESS 108

[480] ZAZA 2015-04-09投稿
薄く開いている目から涙がこぼれる



ユウ「師匠…すみません…負けました…」



そう言って意識が切れる



キュベ「やれやれ…勝手に敗北宣言されては困るなぁ」



フルパワーで技を放ったのにも関わらず疲労感が全く見えないトカイ・キュベだが、両手だけは尋常なほど破壊されていた



キュベ「フム…指がボロボロでしばらくは使い物にならないな。そういう訳でお互いに戦闘不能でこの勝負ドローだ」



そう言い残してその場から消え、一番通りの戦いが終わる



ヴァン「さてと、そろそろ行くか…うん?」



しばらくしてトカイ・キュベが通りかかる



キュベ「ずいぶんヤってたんだな…」



ヴァンの後ろに山のように積まれた死体があった



ヴァン「バレバレな証拠隠滅ですよ。それよりどうしたんですか、その手」



キュベ「久々に楽しい勝負を終えた所でね」



ヴァン「なるほど…お互い目的は果たしたって感じですか…じゃあ帰りますか」


そして中央本部にいるキール・ロワイヤルの所にオルゾが到着した



キール「その様子だとヴァンは予想通り何もしなかったんじゃな」



オルゾ「始めから奴の事など誰も信用していないし、奴も誰の事も信用してないさ」



中央本部の中庭に立つ二人


オルゾ「所でここに龍・老酒はいないな…どこにいる?」



腕に巻いてある包帯を解きながら歩く



キール「ある場所でAIチップの解析をし、愛国者の遺産を手に入れる…いや、もう手に入れているかもな」


オルゾ「なるほど…お前達はただの時間稼ぎだったのか」



キール「その通りじゃ、我らの命など龍・老酒の創る世界の為にとうに捨てておる。さぁ…我を殺すがいい!それとも我に殺されるか?」



解けた包帯がオルゾに向かって伸びる



オルゾ「貴様に殺される事はない…」



右手の人差し指をキールに向けて指し、炎の獅子に命じる



オルゾ「煉獄の獅子よ…跳ねろ」



炎の獅子が包帯を燃やし、跳ねながらキールに突進する



キール「ぐわぁぁぁ!」



オルゾ「煉獄の獅子よ…墜ちろ」



立て続けに右手の人差し指を下に向けると炎の獅子がキールの上空に現れて勢いよく墜ちる



「ドォーーン!!!」



中庭に隕石が落ちたみたいに凹みができ、炎の獅子の威力の大きさがわかる



オルゾ「…」



その凹みの中心でボロボロながら立つキールがいた



キール「ゴホォ!ゴホォ!…やはり技の威力、能力の高さは昔と変わらず流石じゃな…」



相当なダメージだったのか膝から崩れ落ちる



オルゾ「…」



何も言わず、人差し指を前に突き出す



オルゾ「煉獄の獅子よ…吠え…!」



キール「かかったな!」



オルゾの後ろの地面から包帯が伸び、オルゾの口に巻き付いた



オルゾ「ン!!!」



炎の獅子が何もする事なく消えた



キール「始めにお主に伸ばした包帯は囮じゃ。我の本当の目的は足の包帯を地面に刺して地面の中を通り、気付かれずに後ろから口を塞ぐ為じゃ」



オルゾ(…クソ!)



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