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幸運の女神-第二部 14

[463]  朝倉令  2006-09-23投稿


「康介、今日はやけに爽やかじゃねーの?」


「あ、そう? ボク、いつもこうだろう?」


「…言葉も何か変だし」


「まぁ、女子大に鎖つきの革ジャンで来るよりはマシでしょう」


「……昭彦、手に持ってるチケットの束は何ぞ?」


「気にしないで下さい」


「…………」


「あ、マネージャー達も今来たんだね?」


「あれ?チョーさん」



俺、倉沢諒司は、品川恵利花の大学の学園祭に呼ばれ、むさ苦しいヤツラと顔を突き合わせていた所だ。






「麻紀ちゃんや雛ちゃん達は?」


「もうとっくに来てるはずだよ。 オーナーと一緒に」


「へ?チョーさん、何でご存じなんスか?」



コルス厨房のチーフ、長島幸司はいつもの笑顔でそれに答えた。



「そりゃ、手島オーナーに聞いたからさ」


「それでついでに‥チョーさんも?」


「いや、オーナーがね、『諒司くんは危険だから見張ってろ』…だとさ」


「……なぜに?」


「芸能人が増えすぎたら困るからでしょう」


「昭彦、…おめーわ!」



ちょうど俺が峠昭彦に抗議しかけた時、エリカが手を振ってきた。



「イエーイみんな〜っ♪
ようこそ我が校へ!」



珍しくカーディガンにスカートのいでたちで現れた彼女。


 凛々しい顔つきに、ホワイト系のコーディネイトがすっきりと映えていた。






「残りは…ミスコン位かな?」

「恵利花もノミネートされてたよねーっ」


「いや、二枚目コンテストの間違いだろ?」


「リョージ!何それ?」


「あ〜、もう始まるみたいですよ?」



九里麻紀のふんわりした声に促され、俺たちはミスコンの会場へと向かった。



「あーっ!いたいた!
品川さん、ダメよ〜顔見せしなくちゃ」


「え〜っ?日野センパイ、あたし名前だけじゃなかったんですかぁ?」


「もーっ!いいから早くいらっしゃい!」



先輩らしき女性に有無を言わさず引きずられていったエリカ。



あっけに取られた俺たちを残し、彼女はそのままお立ち台に上げられていった。






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