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あなたの声に

[611]  2006-09-24投稿
なんて名前だろう。

何年生だろう。

知りたい。

自分の中の淡い欲が体を満たしていく。


なんだろう。


初めてだこんな気持ち。


微妙な気持ちのまま、家の中へ。


「ただいま〜」


すかさずお母さんが奥から顔を出した。

「おかえり。
 ちょっと遅いんじゃない?
 まだ部活始まってないはずなのに」


「ゴメン。
 今日佳奈美と話してた」


「ふうん、そう。
 ご飯できてるわよー」


「いらない。疲れたからすぐ寝る」


「そう・・・」


私は残念そうなおかあさんを横目に、
浴室へ飛んでいった。

髪と体を洗う程度にし、
すぐ自分の部屋にこもった。


「眠い・・・」


本当に疲れていたせいか、すぐに眠りについてしまった。

じりりりりりr・・・

不快な目覚まし時計の音で目が覚めた。



目が覚めたとたん、ドラムの人の顔が
頭をよぎった。


すぐに飛び起き、制服に着替える。

今日はいつもより準備が早い。


牛乳を飲み、家を飛び出る。

「いってきまーす!!!」


駅には佳奈美がいた。


「あれ?千鶴早くない?」

「そう?」

「うん笑
 いつも遅刻してるじゃん」

「それは前のことでしょ。
 あ、電車きた」

慌てて飛び乗る。


学校についてからもドラムの人のことで頭がいっぱいだった。

早く放課後にならないかな。


うずうずする気持ちを抑えながら、
授業終了のチャイムを待った。





キーンコーン・・・


佳奈美よりも早く教室を出る自分。


音楽室へ足を進めるが、
途中でテニスコートが目に入ってきてしまった。

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