時代(とき)を超えた青春*夫婦(めおと)
その夜、彩は縁側に座り夜空を見上げていたすると、何やら男女の話声が聞こえてきた。そっと覗いてみると、源七郎とさつきが話していた。「源七郎様は…私がお嫌いなのですか?」「分かってくれ…祝言などしたら…出陣の決心が鈍るんだ…」 どうやら出陣前に二人は祝言を挙げるようだった。「そんなの、分かりたくありませんっ…」「さつき殿…」源七郎はそっとさつきの肩に手をやる。「いいのか?…祝言の翌日に夫が死んでも」「いいんです…たとえ今日だけでも源七郎様と夫婦になれるのであれば…」 そして、ほどなくして祝言が行われた。彩はそっとその様子を外から伺った。 「さつきちゃん…源七郎君と…お幸せにね…」つぶやく彩。その顔は、泣いていた…。
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