オバケ12
終わりは突然やってきた。
オバケが死んだ。
朝、テレビをつけるとニュースでやっていた。
拳銃で自らの頭に向かって発砲したようです。
警察によると、それは疑いの余地なく自殺らしい。
僕は信じられなかった。
自殺?オバケは絶対に引き金を引かないと言った。
これは絶対に自殺じゃない、と思った。
他殺でもないし、事故でもない。じゃあ一体なんだ。
根拠はないが、とにかく自殺ではないということしかわからなかった。
その日の夜、僕はいつもの居酒屋に行った。
「今日はいつものお友達は来ないんですか」オヤジが聞いた。
「うん」僕は答えた。「今日は来ない。明日も来ないし、明後日も来ない。たぶん、もう来ない」
オバケが隣で飲んでるような気がした。しかし、そこには誰もいなかった。その影さえない。
「どうかしたんですか」
「わからない」僕は言った。「でも、もう来ない」
「はあ」
僕は居酒屋を出た。
すべては消えた。
オバケや、彼の過去、思想、そして現在の生活。
何でもいつかは消える。全部、消滅する。
きっと、彼は消えるべくして消えたんだ。
夜の風がそう言った。
僕もいつかは消えるんだ、と思った。
それが遅いか早いかの問題なんだ。消えてしまえば、そこに意味なんてない。
「さよなら」僕は呟いた。
オバケが死んだ。
朝、テレビをつけるとニュースでやっていた。
拳銃で自らの頭に向かって発砲したようです。
警察によると、それは疑いの余地なく自殺らしい。
僕は信じられなかった。
自殺?オバケは絶対に引き金を引かないと言った。
これは絶対に自殺じゃない、と思った。
他殺でもないし、事故でもない。じゃあ一体なんだ。
根拠はないが、とにかく自殺ではないということしかわからなかった。
その日の夜、僕はいつもの居酒屋に行った。
「今日はいつものお友達は来ないんですか」オヤジが聞いた。
「うん」僕は答えた。「今日は来ない。明日も来ないし、明後日も来ない。たぶん、もう来ない」
オバケが隣で飲んでるような気がした。しかし、そこには誰もいなかった。その影さえない。
「どうかしたんですか」
「わからない」僕は言った。「でも、もう来ない」
「はあ」
僕は居酒屋を出た。
すべては消えた。
オバケや、彼の過去、思想、そして現在の生活。
何でもいつかは消える。全部、消滅する。
きっと、彼は消えるべくして消えたんだ。
夜の風がそう言った。
僕もいつかは消えるんだ、と思った。
それが遅いか早いかの問題なんだ。消えてしまえば、そこに意味なんてない。
「さよなら」僕は呟いた。
感想
- 3842: これで完です:はこもの [2011-01-16]
- 3844: 色々考えさせられました。次回作待ってます。けん [2011-01-16]
- 3904: 読み応えのある素晴らしい作品だと思いました [2011-01-16]
- 3909: ありがとうございます。次回作、頑張ってみます。読みごたえあり←かなり嬉しいです。 [2011-01-16]
- 3912: ↑はこもの [2011-01-16]
- 4332: はこものさんのファンだと前に書き込んだ者です。やっぱり、はこものさんの雰囲気に引き込まれてしまいました。すごく良かったです!これからも応援してます(^□^)ノ〃 [2011-01-16]
- 4546: ありがとうございます:はこもの [2011-01-16]
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