ブラザーズLove3−?
3 出発の当日
――日曜日当日――
「荷物はこれでよし」
独り言を言って、自分の部屋を最後にひと通り見回してから部屋を後にした。
自分の部屋から続く廊下を進んでその先にある階段を下に降りると、どの部屋もガランとしていた。
その風景を目の当たりにしては、数週間前の日の事を莉央は思い出していた。
(あの時はこんな日が来るなんて思わなかったな。毎日が楽しかったよね)
改めて自分が幸せだったのだと実感した。
辺りを見渡して両親がいない事に気づき、思い出した。
(あそっか。確か父さんたちは荷物の引渡しを業者にしてから、直接、空港に来るんだよね。これで本当に最後なんだよね……また、一緒にこの家で住めるようになるのかな)
いろんな事を心に巡らせて、複雑な心境のまま、玄関の方へ進んではしんみりとした足取りで、ドアを開け外に出る。
莉央は郵便ポストにキーホルダーから外した家のカギを入れたのだ。
ちょうどその時、振り返ると、家の前の道路に一台の乗用車がピタリと止まったのである。
両親が彼女のために空港に行くためのタクシーを呼んでくれていたのであった。
莉央はそれに気づき、思い出したのである。母親が『空港に行く時間、タクシーを呼んでおくから、それに乗って行きなさい』と言ってくれていた事を。
運転手に近づき、トランクを開けてくれるように英語で呼び掛けた。
――日曜日当日――
「荷物はこれでよし」
独り言を言って、自分の部屋を最後にひと通り見回してから部屋を後にした。
自分の部屋から続く廊下を進んでその先にある階段を下に降りると、どの部屋もガランとしていた。
その風景を目の当たりにしては、数週間前の日の事を莉央は思い出していた。
(あの時はこんな日が来るなんて思わなかったな。毎日が楽しかったよね)
改めて自分が幸せだったのだと実感した。
辺りを見渡して両親がいない事に気づき、思い出した。
(あそっか。確か父さんたちは荷物の引渡しを業者にしてから、直接、空港に来るんだよね。これで本当に最後なんだよね……また、一緒にこの家で住めるようになるのかな)
いろんな事を心に巡らせて、複雑な心境のまま、玄関の方へ進んではしんみりとした足取りで、ドアを開け外に出る。
莉央は郵便ポストにキーホルダーから外した家のカギを入れたのだ。
ちょうどその時、振り返ると、家の前の道路に一台の乗用車がピタリと止まったのである。
両親が彼女のために空港に行くためのタクシーを呼んでくれていたのであった。
莉央はそれに気づき、思い出したのである。母親が『空港に行く時間、タクシーを呼んでおくから、それに乗って行きなさい』と言ってくれていた事を。
運転手に近づき、トランクを開けてくれるように英語で呼び掛けた。
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