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宇宙戦隊・16

[380]  豆宮  2006-09-29投稿
何とかコウとサリはC-109-2-ABエリアに到着した。
「……サリ。C-109-2-ABエリアって…」
『俗に言う、富士の樹海っていうところだね』
「ひぃっ!!」
テレビで見た事はあったが実物はケタ違いに不気味だ。
『あ、見て見て!自殺者!』
「ぎゃーー!」
『大声出さないでよ!敵に見つかったらどうするの!』
コウの足下に転がる骨。
アダムが地球を滅ぼす前に地球は滅亡するのではと思った。
『自分だって一回死んでるくせに…あ、アレ見て!』
サリが指差した方を見ると、木々の間から宇宙船らしきものが見えた。そして、その宇宙船にミサイル砲を向けられてる男……

「やべっ…助けにいくぞ!」
『あ、ちょっと!』
コウは後先考えずに宇宙船の前に飛び出した。

それと同時に、放たれたミサイル。

コウは瞬時に、襲われていた男を抱えてミサイルを避けた。
コウ自身、自分がこんな動きを出来ることに驚いた。
「大丈夫か!」
コウは助けた男に呼びかけたが男は失神していた。
「おい!テメェ何者だ!どうしてこいつを襲ったんだ!」
「お前こそ何者だ…無礼者め。その男は我々に妙な物を向けた。だから攻撃したのだ」
「妙な物って…コレただのカメラじゃねーか!」
「カメラだと?ふん、そんな嘘に騙されるものか」
敵対心を剥き出しにする双方。その様子をサリは物陰からこっそり見ていた。
『さすがルコフィエルの生まれ変わり…凄い身のこなしだなぁ。…しかしあの紋章は…』

宇宙船に描かれている星型の紋章…。サリはようやく気付いた。
『そうか…!…ちょっと!両方共やめなさい!』
「何だよサリ!」
「サリ…?」
宇宙船の中の人物が反応した。
「もしかして戦いの神・サリ様ですか」
『うん…貴方も…その紋章はエング星の…』

“エング”という言葉を聞き、コウはようやくあの日に見た映像を思い出した。

「もしかして…テシとテチ…?」

「!…何だ、我々の事を知っていたのか」
「知ってるとゆうか見たとゆうか…」
『そっか…ルコフィエルの能力だね』
「ルコフィエルの…?!」
『そう。この子…コウはルコフィエルの生まれ変わり…私達の希望なんだよ。エング星皇太子殿下』
皇太子…テシはルコフィエルの名に大いに反応した。そして懇願する。
「…先程の無礼を許してくれ、コウ殿、サリ殿!どうか頼みがある!弟を…テチを助けてくれ!」

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