Soul City No.24< 良VS京 >
良はゆっくりと辺りを見渡した。
「さっきの場所と変わらねぇな」
真紅に言われた通りに、その場にしゃがみ、カメラを地面に置いて立ち上がりカメラから1歩離れた。カメラはいきなり中を飛び、目玉型のレンズが良を見ている。良はカメラに向かって手を振った。
「見えてますか〜??」
「当たり前だ」
カメラからは真紅の声が響いた。
「じゃあ始めようぜ!!」
「今1番気にしている人を思い浮かべろよ」
「ああ、今は1人しかいない!!」
「なら話は早い。では行くぞ」
良の目の前には西園寺 京の姿が現れた。
「また会ったな」
「西園寺 京か・・どこで会ったのかは今は聞かないでおく。後1つ言っておくが、その西園寺は本当の西園寺では無い。所詮お前の頭の中の西園寺だ。強さもお前が強いと思えば思う程強くなる。それだけは忘れるな。では開始しろ」
真紅の声が聞こえなくなり、良はレッドティアーを構えた。京もコートの下に隠れた剣を抜き構えて、両者はジッと睨み合った。良に余裕など無かった。春ですら危なかった自分が敵の親玉に勝てるはずなど無かった。
(救いなのは京の戦いを見た事が無いってことだな・・)
「・・睨み合うのにもそろそろ飽きた」
「そうだな」
「お前がどこまで生き残れるか試させてもらうっ!!!!」
京が良の方へとかなりのスピードで走って来た。
「避ければすむ話だっ!!・・・!!??」
良も走ろうとしたが剣が重すぎて早く走る事が出来ない。
(パワーストーンの力どうやって引き出すんだよ!!!!)
仕方なく走る事は諦め、走って来る京を待ち構えた。京が剣を振った瞬間に、良は剣を肩に乗せて、京を見たまま後方へ跳び剣を避け、上から剣を振り下ろした。一帯に衝撃音が響き、砂埃が辺りを覆った。少しづつ砂埃が晴れて剣を見たが、地面を割り亀裂が入っていた。京はギリギリで良の剣を避けていた。
「あぁ〜!!上手くいったかと思ったのによ・・たくっ!!」
「そう簡単に俺を倒せると??」
「そんな甘い考えはねぇよ」
良がそう言うと京は微笑んだ。
「!!・・余裕の笑みにはまだ早いんじゃねぇか??」
「ああ、これは楽しそうな戦いになりそうで嬉しいだけさ」
「ならさっさと再開しようぜっ!!!!」
良は剣を肩に乗せて、京へと走り寄った。
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