Soul City No.26< 目覚め >
「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」
レッドティアーを振り回していたせいか、良の息は荒くなっていた。
(腕が何か変だ・・痺れて力が入らねぇ・・)
良は辛うじて剣を握っているが、力が入らず剣先を地面から上げる事が出来ない。
(まだやれるのに・・)
「良聞こえるか真紅だ」
「真紅っ!!」
良は驚き顔を上げて、カメラを見た。
「事情があり今からお前を強制帰還させる分かったな。事情は後だ」
「待てっ!!俺はまだや・・・」
気付いた時には一瞬で元いた場所へと戻っていた。
「真紅!!俺はまだやれ・・」
良は突然顔を苦痛に歪め、剣を地面に突き刺し、辛うじて剣で支え立っている体型になった。良の手足は痙攣をおこしガクガク震えている。
「くっ!!・・・まだ・・決着が・・・・」
「もう限界だ」
良がゆっくりと顔を上げるとそこには心が立っていた。
「・・あんた・・・は??」
「自己紹介はまた今度だ」
「そう・・だ・・・な・・」
良はその途端気を失った。倒れそうになった心が受けとめて抱き上げ肩に担いだ。
「心っ!!そいつの事頼んでもいい??」
「ああ。そのつもりだ・・後の覚醒者の指導は任せる」
心はそう言うと突然真紅の目の前から姿を消した。
「っ!!・・・・ここ・・は??」
良が目を覚ますと、良は真っ白な部屋のベッドに寝ていた。右腕には点滴がつけられていて、体中が軋むように痛んで、動かせない。いきなり部屋のドアが開き心が部屋に入って来た。
「やっと目を覚ましたか」
「・・??あんた誰??」
「また同じ質問かよ。俺は久能 心(クノウ シン)わざわざ此所までお前を担いで来てやったんだ感謝しろ」
心は良の頭をグシャグシャに撫で回した。
「なっ!!やめろよっ!!」
「何にも怖くありませ〜ん!!体中痛くて動かす事さえ出来ないだろ??」
良は悔しいが心の言っている事があたっているため黙って頷いた。
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