悲愴の水使い?
「お〜い!俺はここにいるぞー!」
カイは叫び続けた。それからついでに悪口を言った神様にも謝った。
「神様〜さっきは馬鹿野郎なんかいってごめんよー!俺はあんたを信じるぜ〜!」
やがて天井の土がポロポロと崩れて穴が開いた。そこから町長がのぞきこむ。
「無事か?」
「俺達は無事だ。それよりサラが深手を負って大変なんだ。」
「分かった。」
町長が顔を引っ込めると町人が穴に入ってきた。
カイもこれには驚いた。もう全員町から出ていったと思ったからだ。
「カイすまんかったね。やっぱり俺達はあんたを見捨てるなんて無理だったよ。」
カイは嬉しそうに笑った。
「それよりサラを頼む。一応止血したけど、危ない。」
「魔法使いさんのことは私達にまかせてください。」
何人かの町人によってサラは慎重に運ばれていった。
カイとアリスも自力で穴から出る。
「いや〜助かったな。」
すると町長がやってきた。
「やはりここが砂漠になっても我々はここから離れるなんてできんな。」
アリスがクスッと笑う。
「それは大丈夫。サラが妖魔を倒してくれたの。ここはもう安全よ。」
「それは本当か?」
「後はサラさえ目を覚ませばなぁ。」
サラの傷は予想以上に深く、治療をほどこしても目を覚まさなかった。
アリスとカイは毎日サラの見舞いに来た。
そして5日がたった。
「…うぅ…」
サラがゆっくりと体を起こした。
「起きた!ねぇカイ、起きたわ!」
アリスがうたた寝をしていたカイを叩き起こした。
「いてて…ったくなんだよ。」
「サラが起きたの!」
サラは何が何だか分からない様子だった。
「私…生きてる」
「そうよ。一緒に帰るって約束したじゃない。」
アリスの言葉にサラは優しい笑みを浮かべた。
「それに自分が死んでも誰も困らないなんて言ったんでしょ?次そんなこと言っちゃダメよ。」
「アリス…?」
「私だってカイだってあなたに死なれたら困るの!いい?分かった?」
「…ありがとうアリス、カイ」
するとサラはベットから出て上着を羽織った。
「どこに行くの?」
「もう王宮に戻らないと…」
「もう戻るのか?」
「ええ…ごめんなさい。でもあなた達に逢えて本当に良かった。町長にもよろしく言っておいて」
「また来てくれる?」
「もちろん。」
すぐに戻るサラにアリスとカイはちょっと残念だった。
しかしサラは必ず来ると信じることにした。
なぜならサラの表情に前のような悲しさはもう無いからだ。
完
カイは叫び続けた。それからついでに悪口を言った神様にも謝った。
「神様〜さっきは馬鹿野郎なんかいってごめんよー!俺はあんたを信じるぜ〜!」
やがて天井の土がポロポロと崩れて穴が開いた。そこから町長がのぞきこむ。
「無事か?」
「俺達は無事だ。それよりサラが深手を負って大変なんだ。」
「分かった。」
町長が顔を引っ込めると町人が穴に入ってきた。
カイもこれには驚いた。もう全員町から出ていったと思ったからだ。
「カイすまんかったね。やっぱり俺達はあんたを見捨てるなんて無理だったよ。」
カイは嬉しそうに笑った。
「それよりサラを頼む。一応止血したけど、危ない。」
「魔法使いさんのことは私達にまかせてください。」
何人かの町人によってサラは慎重に運ばれていった。
カイとアリスも自力で穴から出る。
「いや〜助かったな。」
すると町長がやってきた。
「やはりここが砂漠になっても我々はここから離れるなんてできんな。」
アリスがクスッと笑う。
「それは大丈夫。サラが妖魔を倒してくれたの。ここはもう安全よ。」
「それは本当か?」
「後はサラさえ目を覚ませばなぁ。」
サラの傷は予想以上に深く、治療をほどこしても目を覚まさなかった。
アリスとカイは毎日サラの見舞いに来た。
そして5日がたった。
「…うぅ…」
サラがゆっくりと体を起こした。
「起きた!ねぇカイ、起きたわ!」
アリスがうたた寝をしていたカイを叩き起こした。
「いてて…ったくなんだよ。」
「サラが起きたの!」
サラは何が何だか分からない様子だった。
「私…生きてる」
「そうよ。一緒に帰るって約束したじゃない。」
アリスの言葉にサラは優しい笑みを浮かべた。
「それに自分が死んでも誰も困らないなんて言ったんでしょ?次そんなこと言っちゃダメよ。」
「アリス…?」
「私だってカイだってあなたに死なれたら困るの!いい?分かった?」
「…ありがとうアリス、カイ」
するとサラはベットから出て上着を羽織った。
「どこに行くの?」
「もう王宮に戻らないと…」
「もう戻るのか?」
「ええ…ごめんなさい。でもあなた達に逢えて本当に良かった。町長にもよろしく言っておいて」
「また来てくれる?」
「もちろん。」
すぐに戻るサラにアリスとカイはちょっと残念だった。
しかしサラは必ず来ると信じることにした。
なぜならサラの表情に前のような悲しさはもう無いからだ。
完
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