ファンタジー・ランド
僕は正直、クリスティーナ先生に恋心を抱いていたが、先生はこんなガキなんて全く相手にしないだろうな・・・。先生は好きだけど、ファンタジーなんてものには全く興味が無かった。有り得ないものに魅力なんか感じないし、ファンタジー小説も読んだことが無い。本当のところ僕は『ファンタジー』というものが嫌いだった。課題を出されたその日、学校から家に帰宅途中、僕はずっとブツブツ独り言を言っていた。美術の課題に対して不満な想いでいっぱいになっていたので、つい口に出てしまっていたのだ。 『ファンタジー小説を書けだぁ?そんなもの僕に書けるわけないだろ!先生も何を考えてるんだよ!だいたい、オレには小説を書く才能なんて無いよ・・・。でも書かないと、今学期の単位がぁ!やっぱり書かないとヤバいかな?面倒くさいなぁ!もう?』 そうやって、僕が独り言をブツブツ言っていると、背後から声をかけられた。 『お〜い!ニック!ニックゥ〜!待ってくれよぉ〜!』
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