時代(とき)を超えた青春*続・別れ
「俺達―未来で会えた…らいいな」「きっと、会えるよ…」「また会津に生まれて、彩さんと出会いたい」悌次郎は顔を赤らめる。「彩さん…好きだ!この世で一番…好きだぞ」「て、悌次郎君―あたしも…初めての恋人だよ…」「いや、恋人ではない…俺の…将来の…嫁だ―」悌次郎はもっと顔を赤くした。「嬉しい…」彩は悌次郎に抱きついた。「生きている時代なんか、関係無いよな…」「うん―。」彩の顔に満面の笑みが広がっていたが、脳裏には悌次郎がもうじきこの世から消えてしまう、その事ばかり考えていた…。「悌次郎君」「何だ?」「もし死んでも…悔いは残らないの…?」「残らないさ…武士だからな」「…。」「心配はするなって言っただろ?」「そうだけど…うっ、悌次郎君…」彩は大粒の涙を流し始め、長い髪に涙が付く。「彩さん…」悌次郎はそっと彩の唇に自分の唇を重ねた。「俺は…守る人…彩さんの為に―戦う」「…ありがとう…悌次郎君、大好き」彩が言うと、悌次郎は何も言わず走っていった。彩は泣き崩れ、声の力を振り絞ってこう言った。「会津ばんざい!白虎隊ばんざーい!ぅうっ…」あの日、彩が草履の鼻緒が切れなければ、二人の出会いは無かったろう。時代(とき)を超えた愛というのは、虚しくも淡かった恋だった―。彩は歩きながらこう思った…(続)
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