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いぬのエッセイ

[367]  ひとみ  2006-10-02投稿
これは犬のエッセイです。


一番おいしかったのは、
ネバネバした納豆。

お父さんやお母さんがおいしそうに食べるから、ちょっとおねだりしてみたら。
あたしのご飯入れに納豆をひと握り入れてくれたの。
あたしはハナ。
この家では2番目の娘。
だけどそろそろ、わたしの方が年上になっちゃうかもね。もうすぐ5歳になるの。
舌を使って上手に納豆を食べると、珍しそうにお父さんとお母さんがのぞき込んでくる。
以外とおいしいじゃない。


あたしがここへ来たのは、4、5年前位。
あたしはまだ小さくて、あまり昔の事は覚えてないんだけど、ほんの少しの間だけ本当の産みの親のお母さんと一緒にいたわ。
他にもあたしには兄弟がいたの。
みんな同じ日に産まれた、仲間よ。
あたしはまだ小さかったから、よく覚えていないんだけど、ある日兄弟たちが次々と姿を消していったわ。

どこへいったの?

その時あたしはお腹がすいていて、早くお母さんのミルクが欲しかった。

でも、あたしにもお別れの時が来ていたみたい。
突然首根っこをつかまれて、大きなものに乗せられて…、それから見た事もない空き地に放りだされてやっと分かったわ。
あたしたちはすてられたんだって………。

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