俺と東京とおっさんと 前
俺は、親の反対を押し切って、憧れていた東京の有名大学に進学した。親は地元で就職しろと言ったが高卒で就職はしたくなかったし、なにより俺は勉強が好きで、学生をやってたかった。東京で一人暮らしをしているが、親に反対されてるので、学費や生活費などは自分で捻出しなければならなかった。高校時代にバイトして貯めた金は、2年の冬には底をつこうとしていた。大学に入ってからもバイトはしてたけど、貰える金額はたかが知れてる。だから学費を稼ぐ為に大学には行かず、バイトずけの毎日を送っていた。一日一日がギリギリの生活で、ある日、家賃を払った日、俺の全財産はついに15円になってしまった。これでは何も買えない。食事に困った。友達が家に呼んでくれたりしたが、迷惑ばかりをかけてはいけないと思い、友達の家にも行かなくなった。俺は腐りかけた。腹が減って、死にそうだ。どうしても何か食べたい。俺は、イケないと思ったが、食い逃げをしようと思いついた。
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