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宇宙戦隊・17

[364]  豆宮  2006-10-03投稿
「え?」
状況を飲み込めないでいると、ハッチが開いた。そこにいたのはまさしく、あの映像で見た、マスクを被った大柄な…太り気味の男。その腕には、同じくマスクを被った小柄な少年が抱えられていた。ぐったりしていて息が荒い。
「地球の大気圏を越えた辺りから急に具合が悪くなって…」
心配そうにテチを抱えるテシの姿は、先程までこちらに敵対心を剥き出しにしていた者とは別人のようだった。
『大気の違いのせいか別の原因か…とりあえずメリード星へ戻ろう!このままだと危険だ!』
サリは再びリーサでテレポートの注文をした。
『このボートも運んでもらうから少し時間かかるけど…ごめんね』
「いや、かたじけない」
「あ!こいつどうしよう…」
コウは未だに先程助けた男を抱えている事に気付いた。
「樹海にいたって事は死に来たのか…」
コウは迷った挙句、近くの木に男をもたれさせておいた。
『コウ、テレポート準備完了だよ』
「ああ…」
生死を男自身に委ね、コウ達はテレポートを完了した。



「ここは……」
しばらくして日浦は目を覚ました。
先程と変わらない樹海の中。そうだ…自分は死にきたのだ。そしてここで…何だかとても恐ろしいめにあったような気がする。

「死に来たのに…今更何を怖がってたんだ…」
日浦は目を閉じた。

何となく思い出したのは、自分を助けてくれた者…

「間違いねぇ…あれは天使だ…」

日浦は確かに見た。助けてくれた者に生えていた真っ白な翼…。
「誰も信じてくれなさそうだな…」
日浦は近くに落ちていた自分のカメラを手にした。
ふと、カメラの横で咲いていた一輪の白い花が目に入る。
…昔はこういう自然を撮るだけで心が満ちた。人々の笑顔を撮るだけで心が綺麗になれた。目の前の真実が全てだった。

「あの天使を…撮れたら…」

ポケットに手を突っ込んでみると、中で丸まっていた遺書が出てきた。

“俺は真実を撮っただけだ”


…俺は何を恐れていたんだ。

日浦は荷物を手にして歩き出した。
世間に非難されても構わない。俺は真実を撮っただけなんだ。恐れる必要は無い。そう…いつかあの天使の姿も撮るんだ。
このまま帰れなくて死んでもいい。しかし、もし帰れたのならその時から俺の新たな人生の始まる!!

日浦は“生”を信じて歩き始めた。

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