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ディフェンド? ”いつかの記憶” 48

[293]  2006-10-04投稿
 啓吾はうっすらと目を開けた。目の前には、緑の草と血が見えた。
 
 俺・・・どーなったんだっけ?

 啓吾は、心の中で呟いた。そして、記憶をたどっていった。

 そぅだ。俺、刺されたんだ・・・
 啓吾は、目を閉じた。でも、頭の中で誰かの言葉が響いている。

 『・・・啓吾』

 聞き覚えのある声だった。そして、その声はだんだんハッキリ聞こえてきた。

 『行ってこいよ啓吾』

 『負けたら許さねぇかんな!』
 
 聞いたことのある言葉だ・・・

 誰だっけ・・・?

 それは、ファーベル島に行く前に翔から言われた言葉だった。その時啓吾は誓ったはずだった。「負けるかよ・・・」と。でも、今晶が実体化させた記憶の翔に負けようとしている。それは、翔と誓ったことを破ることになる。
 「負けるかよ・・・」
 啓吾は、小さい声で言った。
 「何?」
 かすかな声を聞き取った翔が反応した。すると、啓吾はゆっくりと立ち上がった。
 「負けるかよっ!」
 啓吾は、高く飛んで落ちながら拳を構えた。啓吾の拳は翔が立っているところに勢いよくぶつかった。
 
 ズカァァァンッ・・・

 地面にはひびが入って、大きな穴ができた。
辺りには煙が舞った。

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