携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> 天使のすむ湖67

天使のすむ湖67

[314]  雪美  2006-10-06投稿
秋も深まる11月のはじめ、香里が紅葉が見たいと言い出した。
早速準備をして、翌日隣の山の紅葉見学にキヨさんの車で出かけ、車で揺られながら、嘔吐するのではないかと心配したが、そんなこともなく、順調に隣の山にたどり着いた。湖には紅葉する木がないので、隣の山まで出かけなくてはならなかった。
キヨさんがお勧めしてくれたところは、小さな神社の祠があり、山全体が、赤や山吹色に鮮やかな色づいたのが見渡せる場所に、大きなイチョウの木が、黄色の葉を少しずつ散らせながら、地面には一面に葉が敷き詰められていた。
人影はなく、ここならゆっくり出来そうだと思った。
「いいところね〜」
香里は目を細めていった。
「そうだね、キヨさんはよくこんなところを知ってるよね〜」
俺も感心していた。
「結構キヨさんて、物知りなのよ〜」
と香里は嬉しそうに言った。
付いた時間もちょうど昼になり、キヨさんが持たせてくれたサンドイッチを二人でほうばった。食欲がない香里も一つは食べてくれた。暖かいミルクティーを手渡すと、
香里は思い出したように話し始めた。
「私ね、一樹には感謝してるの、去年は見に行きたくても心の病で行けなかったでしょう、でもね、一樹は私の心を必死で守り通して、治療してくれた。あのままだったら、死んだら地獄行きだったかもしれないわ、脳腫瘍は治らないけど、また同じ時を過ごせて、泣いたり笑ったり出来るのは、幸せなことなのよね。過ぎた時に執着しないで前を見ることが出来る。ありがとう、一樹・・・」
そういって俺を見つめていた。

感想

感想はありません。

「 雪美 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス