ハリスタリス(5)『運命の月光祭?』
「……ミュシャ…。」
母の呟いた名を微かに聞き取ったミーシャは、僅に動揺し心臓の鼓動も一瞬速まったが、すぐに落ち着きを取り戻し、何かを断ち切るように時計を見た。時刻は午前11時15分。
「あぁっ!もうこんな時間!?練習遅れたらセリーナに殺されちゃうよ!母さん!衣装おかしくない!?」
何も聞かなかったかのように振る舞う娘に感謝しつつ、アニーはじっくりと娘の衣装を調べた。ほぼ完璧に出来ているが、腰紐だけがダラリとだらしなく結ばれているのを見付け、すぐに指摘した。
「…腰紐がちゃんと結べてないじゃないか。これじゃすぐにほどけちまうよ。ほら、こっち来な。結びなおしてあげるから…。」
ミーシャは、衣装の腰紐を結ぶ母の手が震えているのを、衣越しに微かに感じていた。そしてその振動を感じながら、何かを祈るように、ゆっくりと、目を閉じたのだった…。
…───運命の祭がもうすぐ始まる。
人の手によって切り放された、ハリス神とタリス神が再び繋がる夜は、もうすぐそばまで迫っていた…。
母の呟いた名を微かに聞き取ったミーシャは、僅に動揺し心臓の鼓動も一瞬速まったが、すぐに落ち着きを取り戻し、何かを断ち切るように時計を見た。時刻は午前11時15分。
「あぁっ!もうこんな時間!?練習遅れたらセリーナに殺されちゃうよ!母さん!衣装おかしくない!?」
何も聞かなかったかのように振る舞う娘に感謝しつつ、アニーはじっくりと娘の衣装を調べた。ほぼ完璧に出来ているが、腰紐だけがダラリとだらしなく結ばれているのを見付け、すぐに指摘した。
「…腰紐がちゃんと結べてないじゃないか。これじゃすぐにほどけちまうよ。ほら、こっち来な。結びなおしてあげるから…。」
ミーシャは、衣装の腰紐を結ぶ母の手が震えているのを、衣越しに微かに感じていた。そしてその振動を感じながら、何かを祈るように、ゆっくりと、目を閉じたのだった…。
…───運命の祭がもうすぐ始まる。
人の手によって切り放された、ハリス神とタリス神が再び繋がる夜は、もうすぐそばまで迫っていた…。
感想
- 4152: はいはい、次で終わろうね。 [2011-01-16]
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