大切な想い
私立雅学園高等部一年E組 泉智明 は大粒の雨が降る中一人帰宅途中だった。 そしてあの時の事をふと思い出した。あの時も今日みたいな天気だったな。 なんて思いながら足を自宅に向けて進めていた。 そんな時一人の女性とすれ違った。女性といってもまだ幼い。智明と同じくらいだろう。 ポニーテールの似合うとても可愛い女の子。 すれ違ったのは一瞬だが智明はそれぐらい確認することはできた。 「今の子、何処かで・・・・」 あれほど可愛らしい。普通の男なら見とれていただろう。 しかし智明にどこか懐かしい感じがした。 初めて見る女の子なのに。 智明は自宅に着いた。 適当に靴を脱ぎ捨てて自室へ上がっていった。 智明はどこかすっきりしなかった。 帰宅途中に見たあの女の子が気になっていた。 そう。あの子があの時の少女と何となく雰囲気が似ていたからだ。 (あの子は、もしかしたらあの時の・・・・・) 智明は思った。が、そんな偶然あるわけがない。 と、智明は自分に言い聞かせて寝ることにした。 智明は寝不足だった。 結局あの子の事が頭から離れず一睡も出来なかったからだ。 こんな時身体は嘘をつかない。智明の足取りはとても重かった。 そのままリビングへ向かい、何とか朝食をとることは出来た。 しかし身体はだるかった。 智明は渋々ながら学校へ向かった。
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