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生涯の恋人 22話

[356]  ふく  2006-10-07投稿
「おはよう!」

朝の待ち合わせ
初めて自分から挨拶をした
精一杯の笑顔で

昨日
帰ってからも
私のことを心配していたかもしれない
気にしていたかもしれない

昨日の夜は彼と電話はしなかった
メールのやり取りも【おやすみ】の一言だけだった

「おはよう。」

彼は少しホッとした顔を見せた

安心させたかった
彼を笑顔で待つことが
感謝の気持ちを素直に伝えることが出来ない私なりの精一杯の気遣いだった

「あ、放課後は今日からまたちゃんと残って勉強して帰るから。」

昨日の結果が最悪だった分
一般入試に向けて頑張らないといけない
「うん、分かった。」


推薦入試の合格発表までは約一ヶ月あった
担任の先生から結果報告があることになっている
とりあえずそれまでは気を抜くことは出来ない


放課後は教室で勉強をした
誰も居なくなった自分の教室の自分の席は勉強するのには一番落ち着く


昨日は正直眠れなかった
目を閉じると面接のことを思い出す
頭の中を面接官の顔や一緒に面接を受けた人達の顔がグルグル回る
顔はハッキリしていないが何となく覚えている顔がますます嫌になる

このまま眠ってしまうと夢にまで出てくるのではないかと
少し恐怖を覚えた

意外と私は小心者で根に持つタイプなのかもしれない


どれくらい経っただろうか
いつの間にか眠っていた

夢は見なかった
寝不足のせいか
深い眠りについていた

「寝てたね。」

ビックリして顔を上げた
隣の席に彼が座っていた

「いつから居たの?」

「さっきから。」

寝顔を見られた

「昨日寝た?」

「あんまり…。」

隣の席の彼と
しばらく話した



二年生の時
同じクラスだったのに隣の席になったことはない
本当は彼と隣の席になることが夢だった
席替えはいつもドキドキした
でも結局手の届かない所に彼は居た

彼が隣に座っていたら
話すこともなかった彼と言葉を交わすことが出来ただろうか顔を見合わせて笑い合うことが出来ただろうか
二人の間に違う空気が流れただろうか

私を好きになってくれていただろうか

それとも
あの時の二人の距離があったから
今こんな風に近づいていれるのだろうか

彼が隣に座っていることが嬉しい

夢が叶う日まで
一年もかかってしまった

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