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ジャスティスフール1

[361]  奇空の朱  2006-10-08投稿
太陽の陽は暖かいが、早朝に吹く秋風は微弱でも冷たいと感じる。太陽も負けじと暖かい温もりを陽光とし世界を抱き締めるが、秋風が冷やす世界は暖まりづらい。
陽光の一つが2階建ての家に潜り込む、カーテンの間から差し込む太陽の光は部屋にある全ての物に影を作り出す、それはベッドの上で眠っている青年にも言える事だ。
眩しい光に当てられ続けた彼はゆっくりと目を開く、少しづつ目の中に日の光が入って来る、寝起きのためか目の前が曇り掛かっている。
だが、直ぐに視界が回復し、朝日に照らされた部屋が目に映り込む。
「朝か……」
カーテンを明け外を見る。昨日と同じ景色、同じ行動、唯一違うのは雲の形だけ、青年はいつもと同じ事に対して安堵の溜め息をつく。
「!!」
突然鳴り響く金属音に驚く青年は慌てて、目覚まし時計を乱暴に止める。
一瞬の静寂の後、青年はイスにかかっている高校の制服に着替えて部屋を出る。静かな家を歩く音、階段を降りる音、静かすぎる朝は青年に静寂を与える。
「姉さん」
リビングに入るが姉の姿が見えない、青年は小さく溜め息をつく。
「また、いないよ」
青年は夜以外に姉と会う事は無い五年以上もそんな事が続いている。
一度どうしてか聞いてみたが、仕事だと言われた。
仕事の内容も知らない青年は不安でしかたなかった。
毎月百万稼いで来る姉の仕事はなんなのだろうと、青年は色々な事を考える。

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