生涯の恋人 23話
彼の隣は居心地が良い
優しくて暖かい
帰る時間になると
空気が冷たくなり
風が頬に染みる
「だんだん寒くなってきたね。」
手をこすり合わせながら私は言った
私はかなりの冷え性だ
この季節になると辛い
「ねぇ、お願いがあるんだけど。」
彼が少し照れくさそうに言った
「うん、何?」
「手…繋ぎたいんだけど…。」
思わず照れ笑いしてしまった
「いいよ。」
彼はポケットに突っ込んでいた右手を私の方に差し出した
そっと左手を添えた
彼は私の手をしっかりと握った
どことなくぎこちなさはあったけど
自然と二人の距離は縮まった
さっきまでポケットの中にあった彼の手はすごく暖かかった
私の冷えきっていた左手は幸せ者だ
男性らしいゴツゴツした手
彼の大きな手で私の小さな手は覆い隠された
顔を見合わせて笑った
彼の顔が少し赤くなっているのを見逃さなかった
「あぁ…幸せ。」
彼の言葉
彼は素直に気持ちを言葉に出来る
何だか羨ましい
「うん。」
本当に幸せだった
伝わる手の温もり
揺れる繋いだ手
二人の繋がった影
彼の笑顔と彼の言葉まだ冷えたままの私の右手
ゆっくりと流れる時間
心臓の鼓動が手から伝わってしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしていた
「かなりドキドキしてる。初めてだし。」
先に彼に言われてしまった
あまりのドキドキでうまく彼の顔を見れなかった
「うん。」
この幸せが永遠に消えないようにただ祈った
「もう終わりか。」
手をなかなか離すことが出来なかった
別れるのが辛い
「また明日ね。」
そう言うとやっと二人の手は離れた
「今日は私が見送るから行って。」
何だか彼を残して帰るのが寂しかった
「そう?じゃあまたね。」
躊躇いながら彼は背を向けて歩き出した
寂しい
「待って!!」
気が付くとそう言って彼の所へ走っていた
「駅まで送る!」
「えっ!それじゃここまで送った意味ないじゃん。」
「いいから。」
「どうしたの?」
「いいの、送りたいだけ。」
戸惑う彼の顔には嬉しそうな笑顔があった
今日はどうしてもこうしたかった
わずかな時間でも
彼と居たかった
そっと彼の手を握った
素直に言葉に出来ないけど
ただ もう少し一緒に手を繋いで歩きたかった
お願い
あと少しだけ
優しくて暖かい
帰る時間になると
空気が冷たくなり
風が頬に染みる
「だんだん寒くなってきたね。」
手をこすり合わせながら私は言った
私はかなりの冷え性だ
この季節になると辛い
「ねぇ、お願いがあるんだけど。」
彼が少し照れくさそうに言った
「うん、何?」
「手…繋ぎたいんだけど…。」
思わず照れ笑いしてしまった
「いいよ。」
彼はポケットに突っ込んでいた右手を私の方に差し出した
そっと左手を添えた
彼は私の手をしっかりと握った
どことなくぎこちなさはあったけど
自然と二人の距離は縮まった
さっきまでポケットの中にあった彼の手はすごく暖かかった
私の冷えきっていた左手は幸せ者だ
男性らしいゴツゴツした手
彼の大きな手で私の小さな手は覆い隠された
顔を見合わせて笑った
彼の顔が少し赤くなっているのを見逃さなかった
「あぁ…幸せ。」
彼の言葉
彼は素直に気持ちを言葉に出来る
何だか羨ましい
「うん。」
本当に幸せだった
伝わる手の温もり
揺れる繋いだ手
二人の繋がった影
彼の笑顔と彼の言葉まだ冷えたままの私の右手
ゆっくりと流れる時間
心臓の鼓動が手から伝わってしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしていた
「かなりドキドキしてる。初めてだし。」
先に彼に言われてしまった
あまりのドキドキでうまく彼の顔を見れなかった
「うん。」
この幸せが永遠に消えないようにただ祈った
「もう終わりか。」
手をなかなか離すことが出来なかった
別れるのが辛い
「また明日ね。」
そう言うとやっと二人の手は離れた
「今日は私が見送るから行って。」
何だか彼を残して帰るのが寂しかった
「そう?じゃあまたね。」
躊躇いながら彼は背を向けて歩き出した
寂しい
「待って!!」
気が付くとそう言って彼の所へ走っていた
「駅まで送る!」
「えっ!それじゃここまで送った意味ないじゃん。」
「いいから。」
「どうしたの?」
「いいの、送りたいだけ。」
戸惑う彼の顔には嬉しそうな笑顔があった
今日はどうしてもこうしたかった
わずかな時間でも
彼と居たかった
そっと彼の手を握った
素直に言葉に出来ないけど
ただ もう少し一緒に手を繋いで歩きたかった
お願い
あと少しだけ
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