‐Blood‐02?目
「何を言っ・・・アレは??村の方角の空が・・赤い??」
村の方角を見ると赤く空が燃えていた。カイは落ち着きながら目を擦りまた村の方角を見つめた。
「なっ!!村が燃えているっ!!」
「えっ??」
「お前はここにいろ!!」
「やだよ!!」
カイはルキの言葉を聞かずに村の方角へと急いで走って行った。ルキはカイの後を急いで追ったが、まだ9才のルキには到底追い付けなかった。それでもめげる事なく村へと走って行った。
第02話「非力」
「はぁ・・はぁ・・」
ルキが村へついた頃には民家の屋根は燃え、所々で血を流し倒れている者や、野党と戦っている者など、まだ幼いルキからすればこれは小さな戦場のようだった。ルキは何とか壁伝いに家へと走った。
ガラッ!!
ルキは勢いよく戸を開けて叫んだ。
「母さん!!父さん!!ユキ!!」
「・・ルキ??」
「!!母さん??」
「ルキよかった無事だったのね!!」
奥の部屋からサキはユキを抱えて出てきてルキを抱き締めた。
「母さん達も無事でよかった」
ルキも力強くサキを抱き締めた。サキがルキを離すとルキは笑いながらユキの頭を撫でた。
「母さん父さんは??」
「村の男達は今全員武器を持ち戦っているわ。女子供は家から一歩も出るなと・・」
「そんなっ!!俺家まで来る途中にいろいろ見たけど、野党はいっぱいいたんだ。村の大人の男だけじゃ・・」
ルキは戸の向こうを睨んだ。サキはルキの手をそっと握った。
「母さん??」
「ルキ・・お前はとても勇敢で正義感が強く優しい子よ。だけど今だけは母さんとお父様の為だと思って家の外へは出ないで」
サキの瞳からは涙が流れた、ルキはサキの涙を服で拭い、小さく頷いた。
「分かったよ。外へは出ない・・約束する」
「ありがとうルキ」
サキはユキを抱いて、ルキの手をひき奥の部屋へいき、部屋の角で抱き合い息を潜めていた。
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