‐Blood‐03?目
第02章「空賊」
第01話「目覚め」
「くっ・・」
ルキはそっと目を開けた。そこは見慣れない一室のベットの上だった。
「ここは・・??俺は母さんとユキと一緒に家にいたはずじゃ??」
ルキはベットからおりて背伸びをして部屋のドアを開けた。ドアの向こうには長い廊下が続いていていくつもの部屋があった。
「・・??」
ルキは廊下を進み階段を下りた。その先にはまた廊下が続いていて、廊下の奥からは沢山の人の笑い声が聞こえてきた。
「人だっ!!!!」
ルキは安心して走り出し笑い声が聞こえる部屋のドアの前で立ち止まり一度大きく深呼吸をした後にゆっくりドアを少しだけ開けて中を覗こうとしたが、背伸びをしていた為バランスを崩し、ドアは勢いよく開きルキは部屋の中に倒れこんだ。
「痛ったぁ〜」
ルキが顔を上げるとそこでは何十人もの人達が宴をしていたみたいで、いっせいにルキを見た。
「あの坊主が目を覚ましたぜ」
「本当かっ??」
人ゴミの奥からは声が聞こえ、大勢の人達はゆっくりと道を開けた。そこからは1人の男が歩いて来て、ルキの目の前で立ち止まった。
「気分はどうだ坊主??」
「・・・・・・えっと」
「あはは!!こんなに大勢に囲まれてたら話しずれぇよな??ついてこい」
男はルキを立たせて部屋から出ると長い廊下の先にある部屋へと入った。
「好きな場所に座れ」
ルキが椅子に座ると、丁度正面にある椅子に男は座った。
「それで、気分はどうだ??」
「気分はいいけど・・ここはどこ??今俺の村が野党に襲われて大変なんだ!!母さんとユキと家で隠れてたのに・・」
「覚えて無いのか??」
「えっ??」
男は真剣な顔でルキを見た。
「俺は母さんとユキと・・!!!!」
ルキは目を大きく見開き突然瞳からは大粒の涙が溢れてきた。
「そうだいきなり野党が家の中にまで入って来て」
ルキは自分の手で自分の耳を塞いだ。
「母さんは・・俺とユキを押し入れの中に。でもユキが泣いちゃって・・野党が押し入れの戸越に槍で・・・ユキを。外へ出たら母さんは・・・家から出たら皆・・皆死んでた」
ルキは必死に自分の耳を塞いで目を閉じた。男は立ち上がり、ルキの前で片膝をつき、ルキの頭を撫でた。
「もう思い出さなくてもいいから」
「うぅ、母さん、父さん、ユキ」
男はルキを抱き上げると、ルキが寝ていた部屋へと向かった。
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