温心
お湯が沸いたと音を立てて主張する。やかんを持ち上げて熱湯をカップに注ぐ。黒色をしたカップの中身は一人分。注ぎ終わってから、急に横から差し出される。熱湯から微離したお湯を入れてやると、正反対の色をした液体が溢れ出した。
『ごめん、コーヒー飲めないんだ』
言い訳が聞こえた気がして、微笑む。
コーヒーとミルクティーで炬燵に落ち着く。なんとなくお互いに敬遠しているようだ。一口めをなかなか飲み始めない。湯気が煙り、冷たくなってゆく。肩を竦めて、一言、ボヤく。『寒いなぁ』
すると、緊張の糸が切れたのだろうか、飲むキッカケが欲しかっただけなのだろうか、ミルクティーの一口めが飲まれた。遅れてコーヒーの一口めも飲まれる。少し悔しかった。体内に熱い液体が流れ込む。湯気はカップから口に移り、手は冷たく、カップを掴んで離せない。
『今度はおいしい店で飲もう』
『そんなコト言ったって、家で寝てるだけでしょう?』
心の中で返信した。コーヒーのおかげで、体も大分温まった。ゆっくりと眠気が迎えに来て、特に抗わなかった。
『夢の中で一緒にカフェをしたよ、約束通りに』
未だミルクティーを飲み終えない猫は小さく鳴いた。遅れて私もすすり泣いた。
『ごめん、コーヒー飲めないんだ』
言い訳が聞こえた気がして、微笑む。
コーヒーとミルクティーで炬燵に落ち着く。なんとなくお互いに敬遠しているようだ。一口めをなかなか飲み始めない。湯気が煙り、冷たくなってゆく。肩を竦めて、一言、ボヤく。『寒いなぁ』
すると、緊張の糸が切れたのだろうか、飲むキッカケが欲しかっただけなのだろうか、ミルクティーの一口めが飲まれた。遅れてコーヒーの一口めも飲まれる。少し悔しかった。体内に熱い液体が流れ込む。湯気はカップから口に移り、手は冷たく、カップを掴んで離せない。
『今度はおいしい店で飲もう』
『そんなコト言ったって、家で寝てるだけでしょう?』
心の中で返信した。コーヒーのおかげで、体も大分温まった。ゆっくりと眠気が迎えに来て、特に抗わなかった。
『夢の中で一緒にカフェをしたよ、約束通りに』
未だミルクティーを飲み終えない猫は小さく鳴いた。遅れて私もすすり泣いた。
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