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生涯の恋人 26話

[252]  ふく  2006-10-11投稿
彼の背中で泣いた
泣き顔は見られなかった

「そうだ、もう帰ろうか。でさ、一緒に○○天満宮に行こうよ。」

「急に何で?」

推薦入試の前に同じ大学を受験する友達と合格祈願に行ったことを彼に話していた

「朋美を合格させなかったから神様に文句言いに行く!」

彼の発想には時に驚きを感じる

「そんなことしたら罰当たるよ〜。」

「いいから、行こう。少し帰り遅くなっても大丈夫なら。」
彼の気持ちは嬉しかった

学校に一度戻り母に電話をした

彼と天満宮にお参りに行くと伝えると
「良かったね、一緒に行ってくれるなら。あまり遅くならないようにね。」
と 思っていたよりもすんなり許してくれた
きっと母も私が落ち込んでいるのではないかと帰るまでは落ち着かなかったのだろう
私の明るい声に安心しているようにも思えた
本当は男の人と夜に出かけるのは心配なはずだが 今日は何も言ってはいけないと腫れ物にさわる思いだったかもしれない

学校を出ると二人で電車に乗った

「初めて一緒に乗るね。」

彼は嬉しそうだった
私と付き合い始めて私と一緒に帰るようになってから仲の良い友達と帰れなくなった彼を少し可哀想に思った
一人で電車に乗って帰るのはつまらないだろう

電車の窓に並んで座る二人の姿が映る
始めて見る二人の並んだ姿に少し恥ずかしさを感じた
しばらく見ていたかったが窓越しに目が合わないように視線をそらした


暗くなった天満宮には人気は無かった
少し不気味でもあった

自然と手を繋いでいた


お賽銭箱に五円をいれ手を合わせた

隣の彼は何をお願いしているのだろうか
目を閉じた
少し迷った
何をお願いしよう

『彼と私が無事大学に合格しますように。あと…彼といつまでも一緒に居られますように。』

目を開けた
私は欲張りだ
二つもお願いしてしまった

「神様に文句言ったの?」

「文句は言わないよ。」

「そうだろうね。」
何をお願いしたか聞きたかったが止めておいた

「帰ろうか。」

「うん。」

彼の吐く息が白い
すっかり冬だ
白く出る息さえも愛おしい

いつまでも彼と一緒に居たい

短いデートだったがさっきまでの落ち込んでいた気持ちが彼との時間で幸せに変わっていた

理屈ではない
彼の力は本当にすごい




「今日はありがとう。」

やっとうまく笑えた

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