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時代(とき)を超えた青春*自害

[371]  椿  2005-12-24投稿
悌次郎君―。 悌次郎君…。一緒にいたかったよ―。 彩はただ茫然と、気力を失い、道を歩いていた。涙は無数に流れ、服は汚れ、髪は乱れ酷い有り様だった。彩の足元がふらつき、地面に倒れた。 (ドサッ) 「て…いじろう…君愛してる…、逝かない…で…」彩は倒れたまま、また何か呟いた。「そうだ…あたしも…死ねば…いいんだ…あは、あははは…」彩は不気味に笑うとすっと立ち上がり、自分の長い髪で首を締めつけ始めた。「うっ…!くる…しい…悌次郎…君、今あたしも…逝く…よ…あは」 彩はあまりの苦しさに倒れ、蹲る。その瞬間、彩の前に悌次郎の幻が見えた。『彩さんが死んで…どうなるんだ―?命を大切にしろって言ったのは―彩さんじゃないのか…?』「悌次郎君っ!!」悌次郎の姿は無かった。「悌次郎君…あたし、きっと―生きてみせる…」彩は堅く決心し、また歩き始めた。さつきの家に帰ると、辺りは静まりかえっていて、人がいる気配は無かった。「さつきちゃん…何処にいるの?」返事は返ってこない。しかし、彩は驚くべき光景を目の当たりにした―。さつきが、白い着物に身を包み、右手には短刀を握り、今にも自殺を図ろうとしていた。彩は慌てて駆け寄った。「さつきちゃん―!!何やってるの!!」(続)

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