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恋ごころ 第二抄 第三話

[396]  浅川悠  2006-10-14投稿
メールを確認する。

親から来たメールが1通ある以外は全部広告だった。

着信履歴には、友和と水泳部顧問の吉谷慶一(よしたにけいいち)先生の番号があった。

俺は吉谷先生から電話が掛かってきた事に驚いた。

何故だろうと思い、電話してみる。

「もしもし?美凪ですが。」

「おお。美凪か。」

「何かあったんですか?」

「多村が怪我してなぁ。」

その話で先が読めた。


多村雄一(たむらゆういち)。
3年で水泳部に所属している。
実力は成瀬姉妹より上だが、注目はされていない。
今年の地区大会で400m団体リレーのアンカーに決まっていた。


「で、俺にアンカーになれと?」

「そう言う事だ。」

確かに俺は自由形が得意で、多村に次ぐ2番手のタイムは記録してはいるが、多村には2秒程水を空けられている。

「いいんですか?俺多村より2秒も遅いんですよ?」

「構わん。練習すればいいだけだろう。」

嫌な予感がする…

「と言う訳で、明日から朝練だ。」

やっぱり。

仕方がないので了承し、電話を切った。

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