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宇宙戦隊・20

[363]  豆宮  2006-10-14投稿
「兄ちゃん、俺達いつになったらエング星に戻れるかな?」
ふいに思い出したようテチが呟く。
「エング星は今どうなってるの?父上達は無事なの?」
テシは下をうつ向いたまま、何も言えなかった。
「父上達が負けるはずないよね…エング星は無敵だもん」
自分自身に言い聞かせるかのようにテチは呟き続ける。その視線はテシでは無く、どこか遠い所を見ていた。

「…そうだな。落ち着いたら一緒に帰ろう」

そう言ってテチはテシの手を握りしめた。
「手、強く握りすぎだよ兄ちゃん…」
「ああ、すまないな」
テシはテチの手を離すと、ふらりと部屋の外へ出て行った。コウが心配になってテシの様子を見に行くと、長い廊下に座り込んでいるテシの姿が見えた。
でかい体が細かく震えている。
コウは何も見なかった事にして、また部屋の中へ戻った。
「コウ、兄ちゃんはどこへ行ったの?」
不安そうにテチが聞く。
「…ちょっと用事があるってさ。すぐ戻ってくるよ」
『……そうだ!外の景色でも見ようよ』
何となく状況を察したのか、サリが気を利かせる。サリが壁にあった黄緑色のボタンを押すと壁が透けて、メリード星を一望出来た。
立ち並ぶ銀色の建物。どの建物同士を繋いでいるのか分からない回線に、空に浮かぶ機械衛星。
「ここからだとエング星はどの辺にあるの?」
「…ここからだと遠くて見えないな」
「そっかあ…」
テチは残念そうにため息をついた。目が少し涙ぐんでるように見えた。



翌日にはテチは完全回復した。
それを見計らったかのように、コウ達のもとにある情報が入りこんできた。
「サリ様、コウ様。“液”がバルア星に漂着した様子です」
「液…?」
『かつてアダムが宇宙を支配する為に宇宙にばらまいた液体型生物機械だよ…まだ残ってたんだね』
「液ってのは何をするんだ?」
『色んな星に漂着してそこに根付き、植物のような型に変形する。変形途中に攻撃しようとすれば内蔵されてる毒ガスをまきちらすんだ…変形完了したら自爆して、その星の主要地を破壊する。』
「それってヤバいよな…」
『うん…私の言いたい事は分かってるね』
「………ああ」
『コウ。すぐにバルア星へ行き、液を始末しなさい』

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