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恋ごころ 第二抄 第四話

[332]  浅川悠  2006-10-14投稿
次の日から俺は朝練に出る事になった。

てきぱきと準備を済ませ、家を出る。

学校には7時10分に着いた。

部室で水着に着替え、ウィンドブレーカーを羽織る。
九月の半ばとはいえ、朝方は肌寒い。

ウィンドブレーカーを羽織ったのは正解だった。

グラウンドを走り、プールサイドで準備体操といういつものウォーミングアップをしてから泳ぎ始める。

俺は慣らしから泳ぎ、スプリント、インターバルとこなしていった。

休憩を取っていると、ウォーミングアップを終えた成瀬麻穂がやってくる。

「おはようございます。先輩。」

「あぁ。おはよう。麻穂。」

「珍しいですね。明日の天気は槍かな。」

笑いながら麻穂は言った。

俺が何処かで誰かさんに言った台詞だな…。

そんな事は気にせず話を続けた。

「そういや多村はどこを怪我したんだ?」

「右ヒザ内側靱帯です。」

「また大層な怪我をしたな。多村は。」

「ええ…」

そんな話が終わった後、顧問の吉谷先生と成瀬佳穂が来た。

「お。美凪は来てるな。」

「おはようございます。美凪センパイ。」

「おはようございます。先生。おはよう。佳穂。」

それぞれに挨拶を返すと先生が言い始めた。

「アップは終わってるのか?」

「はい。インターバルまで終わってます。」

「分かった。じゃあとりあえずタイムを計るか。」

「分かりました。」

そう言うと俺は第5コースに入り、スタートの準備をした。

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