平安☆美人の法則!!?
螢と呼ばれた女性の背後から突然響いた美声に、帝は瞠目しました。
そしてその声の主である女性は、「…よい、螢。下がりなさい。その方のおっしゃるとおりです。確かに、庭に勝手に入っておきながら、顔を見せぬのは失礼にあたります…。」と、螢と呼ばれた女性を優しく諌め、自分の後ろに下がるよう命じたのです。
すると螢と呼ばれた女性は、少しだけしゅんとした表情をしましたが、素直に「はい。」と言って後ろに下がりました。
そうして、螢と呼ばれた女性が後ろに下がると、美声の女性の姿──といっても後ろ姿だけ──があらわになり、そこで初めて、帝はその女性の異様な点に気付きました。
なんとその女性の髪は、普通の女性──つまり宮廷女官や貴族の姫など──と違い、髪が背の半分までしかなく、しかも長さも不揃いで、色も(夕日に透けているせいもあるが)栗色をしていたのです。
(なんだあの髪は…!)
帝はあまりの異様さに、大変驚きました。なぜなら、普通の女性は、髪を背丈よりも長い位に揃えて伸ばし、しかも髪の色も真黒色だからです。
しかしその女性は驚いている帝の様子に気付きもせず、まだ帝には背を向けたままの状態ではありましたが、静かに音もなく立ち上がりました。
──その所作といったら、ただ立ち上がるだけの単純動作だったにもかかわらず、流れるように美しく、帝も思わず髪のことを忘れ、その優雅さにみとれてしまうほどでした。
そして女性は振り向く前に、帝に一言だけ言いました。
「…私の顔をご覧になっても──驚かないで下さいね。」
帝はそこで初めて、今日出仕予定で、まだ来ていない左大臣家の二の姫──伊織姫のことを思い出しました。
(まさか彼女は───…。)
帝がそう思った刹那、女性がゆっくりと優雅に振り返りました。
そしてその顔を見た瞬間──帝はあまりの驚きに、その場に呆然と立ち尽くしてしまったのでした。
そしてその声の主である女性は、「…よい、螢。下がりなさい。その方のおっしゃるとおりです。確かに、庭に勝手に入っておきながら、顔を見せぬのは失礼にあたります…。」と、螢と呼ばれた女性を優しく諌め、自分の後ろに下がるよう命じたのです。
すると螢と呼ばれた女性は、少しだけしゅんとした表情をしましたが、素直に「はい。」と言って後ろに下がりました。
そうして、螢と呼ばれた女性が後ろに下がると、美声の女性の姿──といっても後ろ姿だけ──があらわになり、そこで初めて、帝はその女性の異様な点に気付きました。
なんとその女性の髪は、普通の女性──つまり宮廷女官や貴族の姫など──と違い、髪が背の半分までしかなく、しかも長さも不揃いで、色も(夕日に透けているせいもあるが)栗色をしていたのです。
(なんだあの髪は…!)
帝はあまりの異様さに、大変驚きました。なぜなら、普通の女性は、髪を背丈よりも長い位に揃えて伸ばし、しかも髪の色も真黒色だからです。
しかしその女性は驚いている帝の様子に気付きもせず、まだ帝には背を向けたままの状態ではありましたが、静かに音もなく立ち上がりました。
──その所作といったら、ただ立ち上がるだけの単純動作だったにもかかわらず、流れるように美しく、帝も思わず髪のことを忘れ、その優雅さにみとれてしまうほどでした。
そして女性は振り向く前に、帝に一言だけ言いました。
「…私の顔をご覧になっても──驚かないで下さいね。」
帝はそこで初めて、今日出仕予定で、まだ来ていない左大臣家の二の姫──伊織姫のことを思い出しました。
(まさか彼女は───…。)
帝がそう思った刹那、女性がゆっくりと優雅に振り返りました。
そしてその顔を見た瞬間──帝はあまりの驚きに、その場に呆然と立ち尽くしてしまったのでした。
感想
感想はありません。
「 杏奈 」の携帯小説
- 【携帯版】多賀城[たがのき]の携帯サイトが完成しました。
- PC用小説サイト新設のお知らせ
- 「携帯小説!」がスマートフォンに対応しました
- 【状況報告】03/18の管理人現況
- 【ネット復活】更新再開
- 管理人です。
- サイトの新デザインを作ってみました。