天使のすむ湖76 岬と香里編
岬は、自分の質問が、香里を追い詰めたような気がして
「ごめんなさい、私失礼ですよね・・・本当は器用な香里さんがうらやましかった。器用で美人で、一樹のそばでいつもいられて・・・」
あやまっていた。わけのわからないことを余計言ってしまった。
「いいのよ、岬ちゃん、失礼なんかじゃないわ、私のほうこそあなたに謝らないといけないわね。一樹を奪ったのは私ですものね。なのに感謝してるのよ、具合が悪いと、一樹や桜井君と私の看病や身の回りの世話をしてくれて、なんてお礼したらいいのかわからないの・・・私こそあなたがうらやましい、いつも元気で快活で明るくて、まぶしい太陽みたいな子よね。」
そう言って香里はやさしく見つめていた。
二人は対照的で、落ち着いていて上品な香里と、元気さと明るさを持ち合わせたのが岬だった。どちらも無いものねだりしてしまう、最大のライバルのはずなのに、そこには恨みも憎しみも無い、相手に対する尊敬に変わっていた。本来なら血みどろの争いをしてもおかしくは無いはずなのに・・・
岬は続けて、
「でも一度だけ泣き顔見たことあるんです。病院に入院していた時に本当は毎日お見舞いに行ってたんですけど、なんだか二人の間に入るのが悪い気がして、一回しかちゃんと話せませんでした。二度目の告知を香里さんが受けたあと、気になって夕方に行ったら、夕日に照らされて、泣きながら一樹と抱き合っていたんです。すみません、覗き見したりして・・・」
更に頭を下げて謝っていた。すると余裕の笑みを浮かべて
「いいのよ、岬ちゃんは身内みたいなものですもの・・・一樹に私甘えてばかりで、申し訳ないのよ、何かしてあげたくても出来ないから・・・・」
香里はそう悲しみを含んでいった。
「いいえ、香里さんがいたから、一樹は医師になるという目標をもてたし、成績も上がったんですから・・・」
本当はすごい不安を感じているように岬には思えた。死の迫る恐怖は、まるで薄い氷の上を歩くようなものであろう。なのに香里はそれでも人に笑顔を与えようとして、他の人にまで気を使っている。まねできないと岬は思っていた。
「ごめんなさい、私失礼ですよね・・・本当は器用な香里さんがうらやましかった。器用で美人で、一樹のそばでいつもいられて・・・」
あやまっていた。わけのわからないことを余計言ってしまった。
「いいのよ、岬ちゃん、失礼なんかじゃないわ、私のほうこそあなたに謝らないといけないわね。一樹を奪ったのは私ですものね。なのに感謝してるのよ、具合が悪いと、一樹や桜井君と私の看病や身の回りの世話をしてくれて、なんてお礼したらいいのかわからないの・・・私こそあなたがうらやましい、いつも元気で快活で明るくて、まぶしい太陽みたいな子よね。」
そう言って香里はやさしく見つめていた。
二人は対照的で、落ち着いていて上品な香里と、元気さと明るさを持ち合わせたのが岬だった。どちらも無いものねだりしてしまう、最大のライバルのはずなのに、そこには恨みも憎しみも無い、相手に対する尊敬に変わっていた。本来なら血みどろの争いをしてもおかしくは無いはずなのに・・・
岬は続けて、
「でも一度だけ泣き顔見たことあるんです。病院に入院していた時に本当は毎日お見舞いに行ってたんですけど、なんだか二人の間に入るのが悪い気がして、一回しかちゃんと話せませんでした。二度目の告知を香里さんが受けたあと、気になって夕方に行ったら、夕日に照らされて、泣きながら一樹と抱き合っていたんです。すみません、覗き見したりして・・・」
更に頭を下げて謝っていた。すると余裕の笑みを浮かべて
「いいのよ、岬ちゃんは身内みたいなものですもの・・・一樹に私甘えてばかりで、申し訳ないのよ、何かしてあげたくても出来ないから・・・・」
香里はそう悲しみを含んでいった。
「いいえ、香里さんがいたから、一樹は医師になるという目標をもてたし、成績も上がったんですから・・・」
本当はすごい不安を感じているように岬には思えた。死の迫る恐怖は、まるで薄い氷の上を歩くようなものであろう。なのに香里はそれでも人に笑顔を与えようとして、他の人にまで気を使っている。まねできないと岬は思っていた。
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