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時代(とき)を超えた青春*戦場

[355]  椿  2005-12-27投稿
白虎隊は戦場へ辿り着いた。儀三郎が指揮を執っている。「―いいか?あの敵軍に向かって、攻撃を仕掛けるぞ…」皆、先ほどの気と打って変わって緊張が走っていた。敵はもうすぐ側にいる。が、辺りが霧となって、よく見えない。少年達は銃を構えた。悌次郎は彩の事を考えていた。源七郎もさつきの事を考え、また他の少年達も自分にとって想いの人を考えていた。敵の影が段々と見えてきた。「撃てえぇ―!!」 儀三郎の叫び声を境に、激しい銃戦が始まった。しかし、白虎隊側は敵に完全に圧されている。敵の弾が当たり倒れる少年が続々と出てきた。そんな時、駒四郎は銃を投げ捨て「こんな約立たずの銃はいらん!」と言い、刀を手に敵に突っ込んでいく。それに続き、他の少年達も刀を抜いた。…何人敵を斬ったのであろう、手に震えが来て、悌次郎に疲労が襲ってくる。次の瞬間、大きい弾が悌次郎の方へ飛んできた。(ドーン)「―っ!!」逃げ切れなかった…。「悌次郎!大丈夫か!?」周りの少年が悌次郎を担いでいる。悌次郎の体あらゆる箇所から血が流れていた。「会津白虎隊!退け!」儀三郎はそう言い、少年達は皆丘の方へ走っていった。悌次郎は脚がおぼつかない様子で「ごめん…な…彩さん―」と小さく言った―。 (続)

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