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300円の指輪?

[733]  時雨  2006-10-22投稿
ガチャッ

「きゃぁぁあっ!!」

「わぁっ!!すっ…すみませんっ…驚かせるつもりはなかったんですが…」

そこに居たのは26歳ぐらいだろうか…若そうな男の人

「あの…昨日隣に越して来た佐藤です…昨日、挨拶に来たんですが出かけているみたいだったんで…」


フッと隣を見たら、綺麗な女の人がニコッと微笑んでいた

『新婚さんかな…』

その人達は丁寧に挨拶を済ませると自分達の部屋に戻って行った




────────。




それから私はあの古い店を探した
しかし、いくら探してもあの店は見付からなかった…


結局指輪をどうする事も出来ないまま私はアパートに帰った


その日の夜、私は何かあったら嫌だと思い枕元に花瓶を置いてから床についた



────────。



ドンッドンッドンッ

「うぅ〜…─てぇ〜…──してぇ〜…」

ドンッドンッドンッ



『…………来た!!!』


ドンッドンッドンッ

「…返して〜…うぅ〜…返してぇ〜」



『そんなに返してほしいならくれてやる!!』


私は枕元に置いていた花瓶を手に持ち、恐る恐るドアの穴をのぞいた

『…誰も居ない…』

私は気のせいだったのかと一安心して床に戻ろうと振り向いた






ドンッ






…ドンッドンッ




次はアパートの窓を叩いている
私の心臓は早く脈打ち、手が小刻に震え、冷汗が頬を流れた…


『え…ここ…2階なんだけど…』


一晩中アパートの窓やドアを叩く音が鳴り響いた…

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