雪の華21
聖夜の様子もおかしかったけど、白藍の事も気になってる。
段々私の中の黒峯は薄れていく。
私は本当に黒峯を愛していたの?
小さな子供が、大好きなオモチャを独り占めしたいように──
ただの我儘で側にいて欲しかっただけ?
愛でも好きでも無くそれはただの──
「──…えっ?」
「どうも」
ここでいつもなら強引な白藍が来る予定──だけど……
「黄藍……さん」
「朱斐様、今日は俺に付き合って頂けますか?」
「え…ええ?」
急な呼び出し、父親の名で呼び出されたかと思えば、相手は黄藍だった。
一体何故。
「か……構いませんが、白藍…さんは?」
「あぁ、あいつは賭けに負けたので俺の代わりに交友関係者主催のパーティーに……」
「あなたは行かなくてもよいのですか?」
「同じ顔は二人もいりません。逆に二人揃えば目障りでしょう」
淡々と冷たい言葉を自身に吐き平然としている黄藍。
朱斐は戸惑う。
「──……私なら……あなた方のように美しい者を二人見れたら嬉しく思いますが」
朱斐は善意で思った事を言った。
が黄藍にはそう聞こえなかった。
「俺達双子は見目がいいから見世物になれと……そうおっしゃいますか? フッハハッ」
「──……良くも悪くも人を惹き付ける美しい容姿を御持ちだと……私はそう思います」
黄藍のイヤミに朱斐はおくさない。
朱斐の態度に苛立ち顔が歪んでいる黄藍は、朱斐の手首を握りグイッと引っ張る。
「黄藍?どこに……」
「あなた自身はただの駒だと理解していますか?」
「──えぇ。よく」
「白藍も俺も同じです。駒で駒としての役目がある」
朱斐は黄藍に手を引かれ、人が行き交う道を歩いている。
「あなたは──駒だ。なのに何故……他の人間を見るのですか?」
「えっ?」
黄藍が立ち止まり、朱斐を睨み、軽蔑の眼差しを向ける。
「ッ」
朱斐は言葉を発せず、固まる。
「ちょっとの悪戯でキスしようとしたけど、あなた全身で拒絶していた。顔を歪め、身を強張らせ、涙目だった」
「あ…の…それは」
「他に好きな男がいるのですか?」
黄藍が問うと、朱斐はビクッと身を震わせうつ向く。
「分からないの」
分からない。
誰が好きなのか…
感想
- 4651: …いつ終るか分からないm(_ _)m長い長すぎる。読んで下さる方には多大な感謝。作者 [2011-01-16]
- 4665: いえ、長さでいえば私など全五十話予定の作品を書いてますから…。ファンタジーのほうには同タイトルで百話を超えたツワモノがいらっしゃいます。(ディフェンドという作品)読む側の気持ちを申しますと、好きな作品は終わらないで欲しいです。(^-^) これからも頑張って下さい。/Rei [2011-01-16]
- 4672: 五十!? そ・それはそれですごいです♪ こっちの我が作品は本当まだ起承転結の起くらいでノД`)いつ終るのやら。。。 Reiさんありがとうございました。作者 [2011-01-16]
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